
教育行政
教育の方針を、権限・財政・人員・参加の仕組みから考える
実学志教育学専門課程
講師:KIKI
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

本講の中心問題:教育を支える責任を誰が担うか
仮想事例
ある市の中学校で、日本語指導と特別支援教育の必要が増え、校長が支援員の配置を求めている。市の教育委員会が学校の状況を把握し、市長が予算を検討する一方、教員の配置には都道府県も関わる。
必要な支援を学校で実施するには、学校が把握した課題を、人員の配置や予算を決める機関へ伝え、それぞれの判断を調整することが求められる。
本講の問い/学ぶ内容
誰が何を決めるか
国・地方公共団体・学校の権限
教育条件をどう保障するか
教職員制度、財政、学級編制
誰の判断を反映するか
教育委員会、専門性、住民参加
制度をどう機能させるか
首長との調整、学校運営協議会、行政能力
到達目標は、教育上の課題への対応を、決定・実施・財源・説明責任の関係から説明できるようになることである。
学ぶ順序:Ⅰ 誰が何を決めるか → Ⅱ 人員・財源・学級編制 → Ⅲ 判断の主体と責任 → Ⅳ 制度を機能させる条件 → 自分で説明する。
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

Ⅰ 誰が何を決めるか
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

教育行政:教育が成立する条件を組織する
現在地|Ⅰ 誰が何を決めるか
教育行政は、教育に関する法制度や政策に基づき、学校・社会教育施設、人員、財政、教育内容の基準などを整え、教育を支える活動である。
二つの側面
教育の基準や手続を定め、学校等を管理する。
学習者や教育実践の必要を把握し、それに応じた資源や支援を用意する。
教育基本法第16条は、不当な支配の排除と法律に基づく教育行政、国と地方公共団体の役割分担・協力を規定している。
解説メモ|法に基づく行政と、権利を支える条件整備
法治主義は、行政が法律に基づいて権限を行使するという原理である。立憲主義は、その権力を憲法によって制約し、権利を守るという考え方である。教育行政では、誰に何を決める権限があるかを確認するとともに、その判断が子どもの学習を支えているかを問う。基準を定めるだけでなく、教員・教室・教材や必要な支援を確保して、実際に学べる条件へつなげる。
出典:教育基本法第16条。文部科学省
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

国・都道府県・市町村・学校の役割
現在地|Ⅰ 誰が何を決めるか
以下は、通常の市町村立小・中学校を中心とする、基本的な役割分担である。
主体
主な役割
国
法制度、教育課程等の基準、財政措置、調査・政策
都道府県
広域的な教育条件の整備、県費負担教職員の人事、研修等
市町村
小・中学校の設置・管理、就学、地域の教育施策等
学校
教育課程の編成・実施、授業、生徒指導、学校運営
中央教育審議会は、文部科学大臣の諮問に応じて調査審議を行う機関であり、その答申と、法律の制定は区別する。
解説メモ|複数の権限が組み合わされて、学校の教育が成り立つ
市町村立学校では、国の基準、都道府県の人事、市町村の施設整備や運営、学校の専門的判断が関わり合っている。例えば新しい授業を始める際には、教育課程上の位置づけを学校が検討するとともに、担当者や設備、予算の確保を関係機関と調整する。国から学校へ続く単一の命令系統として捉えると、実施の各段階で誰が何を判断するかを見落としやすい。
出典:文部科学省「地方教育行政」。文部科学省
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

執行機関多元主義:複数の機関が権限を分担する
現在地|Ⅰ 誰が何を決めるか
地方公共団体では、首長とともに、教育委員会などの行政委員会が、それぞれの権限に基づいて事務を執行する。このように、複数の執行機関を置く仕組みを、執行機関多元主義という。
機関
教育に関わる位置
首長
予算案の提出、予算の執行、財産取得・契約等
教育委員会
所管する学校教育・社会教育等の管理・執行
議会
予算・条例の議決、教育長・委員の任命への同意等
解説メモ|権限を分担し、施策の実施に向けて調整する
教育委員会が必要と判断した施策を実施するには、首長による予算案の提出と、議会による議決などの手続が関わる。首長が予算を担う場合にも、教育委員会の権限に属する事項は、その判断を踏まえて調整される。権限の分担には専門性や中立性を支える意味があり、教育施策は、それぞれの権限を保ちながら協力することで具体化される。
出典:文部科学省「教育委員会制度について」。文部科学省
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

Ⅱ 人員・財源・
学級編制
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

県費負担教職員制度:設置・人事・給与を分けて理解する
現在地|Ⅱ 人員・財源・学級編制
市町村立小・中学校等では、一定の教職員について、都道府県が給与を負担し、都道府県教育委員会が任命権を持つ仕組みが設けられている。
事項
基本的な担当
学校の設置・管理
市町村
県費負担教職員の給与負担
都道府県
県費負担教職員の任命権
都道府県教育委員会
服務の監督
市町村教育委員会
日常の校務・所属職員の監督
校長
指定都市などには特例がある。また、市町村が独自に雇用する職員等とは区別する。
解説メモ|広域的な人事と、各学校の必要を結びつける
市町村ごとに教員を採用・配置する場合、財政力や採用環境の違いが、学校の教育条件に影響しやすくなる。県費負担教職員制度は、人事と給与を都道府県単位で支えることにより、広い地域で教員を確保・配置する仕組みである。その運用では、学校の必要を把握する市町村と、人事を担う都道府県との調整が重要になる。
出典:文部科学省「県費負担教職員制度」。文部科学省
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

義務教育費国庫負担制度:全国的な教育条件を支える
現在地|Ⅱ 人員・財源・学級編制
義務教育費国庫負担制度では、公立義務教育諸学校の対象となる教職員の給与費等について、国が原則として3分の1を負担する。
残りを地方が負担し、国と地方が共同で給与費を支えることによって、地方の財政力の違いが教職員配置に及ぼす影響を調整する。
区別すること
国庫負担の対象は、対象となる教職員の給与費等である。校舎、教材、自治体独自の支援員等の費用は、それぞれ別の財政の仕組みによって支えられる。
解説メモ|共通の権利を支えるために、財源の違いを調整する
教育を受ける権利が全国で保障されていても、自治体が持つ財源には違いがある。国庫負担は、居住する地域によって教育条件に大きな差が生じることを防ぎ、一定の教職員配置を支える仕組みの一つである。法定の条件に加えて行われる独自施策には地域差が残るため、全国的な基礎保障と、自治体による上乗せ支援を区別して検討する。
出典:文部科学省「義務教育費国庫負担制度」。文部科学省
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

2026年度からの中学校35人学級:基準を実施条件へつなぐ
現在地|Ⅱ 人員・財源・学級編制
2026年3月に関係法の改正が成立し、中学校の学級編制の標準を35人へ引き下げる取組が、2026年度から学年進行で始まった。
国の標準の移行
2026年度 中学校第1学年
2027年度 第2学年まで
2028年度 第3学年まで
実施に関わる課題
学級数の変化に応じて、教室と教員を確保し、時間割や特別教室の利用、校内の支援体制を調整する必要がある。
解説メモ|学級規模の縮小を生かす教育条件を整える
学級規模が小さくなると、一人ひとりの状況を把握し、学習に関わる機会を増やしやすくなる。その可能性を生かすには、教員や教室、教材を確保し、指導方法を検討することが求められる。国の標準変更が、都道府県の人事、市町村の施設整備、学校の授業づくりへとつながる過程に、教育行政の役割分担が具体的に表れる。
出典:文部科学省、2026年3月31日の法改正成立に関する公表、自治体の実施案内。文部科学省
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

教師不足を、定数・採用・定着の仕組みから考える
現在地|Ⅱ 人員・財源・学級編制
文部科学省の2025年度実態調査(2026年3月公表)でいう「教師不足」は、実際の配置数が、各教育委員会の配当数に届かず欠員が生じる状態である。ここでいう配当数は、法律上の教職員定数標準と同じ数ではない。教育委員会独自の配当を含み、市町村独自の配置は含まないため、用語と調査範囲を確かめずに「法定定数に対して全国一律に不足」と言い換えない。
課題の段階
制度・学校で検討すること
養成
教職課程で必要な専門性と実践を学び、教員になる経路を支える
採用・配置
必要な教科・校種・地域に応じた人材を確保し、欠員・代替要員の状況を把握する
定着・成長
過重な業務を見直し、同僚との協働、研修・授業準備の時間、学校運営への教師の参加を保障する
出典:文部科学省「令和7年度『教師不足』に関する実態調査」(2026年3月5日公表)。文部科学省/調査概要・PDF第2頁の定義
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

教師不足を、定数・採用・定着の仕組みから考える (続き)
現在地|Ⅱ 人員・財源・学級編制
欠員は授業・校務の分担や支援体制に影響し得るが、採用だけを促しても、働き続けて専門性を高められる条件がなければ問題は繰り返される。教師個人の努力不足と決めつけず、業務量、配置、専門職としての成長、意思決定への参加を一体の職場条件としてみる。
資料短答:教師不足を論じる際、「定数」と「配当数」を区別する必要を述べ、採用以外の対応を一つ示しなさい。
出典:文部科学省「令和7年度『教師不足』に関する実態調査」(2026年3月5日公表)。文部科学省/調査概要・PDF第2頁の定義
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

Ⅲ 判断の主体と責任
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

教育委員会制度の変遷:民主化と責任体制の調整
現在地|Ⅲ 判断の主体と責任
戦前の地方教育行政は、国の教育事務を知事や市町村長が執行する中央集権的な仕組みだった。戦後改革では、教育の自主性、地方分権、住民参加を制度としてどう保障するかが課題になった。
1948年:教育委員会法
一般行政から一定の独立性を持つ教育委員会を置き、委員を住民が選ぶ公選制を採用した。全国の市町村への設置は1952年である。
1956年:地方教育行政法
公選制を通じた党派的対立や、一般行政との調整が課題とされ、政府は中立性と行政上の調和を重視して任命制へ変更した。首長が議会の同意を得て委員を任命する方式となり、住民が委員を直接選ぶ経路は失われた。
出典:文部科学省「教育委員会制度の現状と課題」沿革、2014年改正法の立法資料。文部科学省 沿革 新教育制度の具現 文部科学白書 教育委員会制度改革 教育行政
参議院
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

教育委員会制度の変遷:民主化と責任体制の調整 (続き)
現在地|Ⅲ 判断の主体と責任
1999年改正・2000年施行:地方分権改革
教育長の任命承認制度を廃止するなど、国・都道府県の関与を見直した。
2014年改正・2015年施行:責任体制の改革
新教育長、総合教育会議、大綱を導入し、責任の所在と首長との連携を明確にする方向を取った。
比較する視点
誰が委員を選び、誰が判断し、誰に説明するか。任命制でも住民の意思を反映する手段、専門的判断を公開・点検する仕組みが必要である。制度改革を、民主性・中立性・専門性・責任の組合せが変わる過程として読む。
出典:文部科学省「教育委員会制度の現状と課題」沿革、2014年改正法の立法資料。文部科学省 沿革 新教育制度の具現 文部科学白書 教育委員会制度改革 教育行政
参議院
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

レイマン・コントロールと専門的な行政運営
現在地|Ⅲ 判断の主体と責任
レイマン・コントロール
住民の立場を代表する委員が基本方針や重要事項を審議し、教育行政に住民の視点を反映させる考え方である。
専門的な行政運営
教育長、事務局、指導主事等が、教育、法制度、行政実務に関する専門性を用いて、政策を具体化し、実施する。
解説メモ|住民の生活経験と、専門的な判断を結びつける
住民の視点が入ることで、学校や行政に届きにくい家庭・地域の経験を検討しやすくなる。そこで示された必要を施策へつなぐ際には、法的な条件や他の子どもへの影響などを、専門知識に基づいて確かめることも求められる。レイマン・コントロールは、こうした専門的判断を社会に開き、異なる立場から検討できるようにする点に意義がある。
委員にも、教育の状況を理解し、審議に必要な知識を学ぶことが求められる。
出典:文部科学省「教育委員会制度について」。文部科学省
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

現在の教育委員会:合議と執行を組み合わせる
現在地|Ⅲ 判断の主体と責任
教育委員会は、教育長と教育委員で構成される、合議制の執行機関である。
役職
基本的な位置
教育長
常勤、任期3年。教育委員会を代表し、事務の執行を担う
教育委員
原則4人、非常勤、任期4年。基本方針や重要事項を審議する
教育長・委員は、首長が議会の同意を得て任命する。委員数には条例による例外がある。
解説メモ|日常の執行と、重要事項の審議をつなぐ
日常の行政実務は教育長や事務局が担い、重要な方針は委員会で審議する。この分担が機能するには、委員が資料を理解し、学校の状況を把握したうえで、質問や修正提案を行えることが必要になる。開催回数とともに、何が報告され、どの判断に委員が関わったかを確かめることで、合議制が実際にどう働いているかを捉えられる。
出典:文部科学省「教育委員会制度について」「新任教育委員向け資料」。文部科学省
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

2014年改正:責任の所在を明確にする
現在地|Ⅲ 判断の主体と責任
2014年6月20日に改正法が公布され、2015年4月1日に施行された。
改革の背景
教育委員会の審議が形骸化していないか、教育委員長と教育長の責任が分かりにくくないかが問われていた。大津市のいじめ事案等への対応をめぐる問題も、重大事態における学校・教育委員会・首長の責任関係を見直す契機となった。
主な変更
従来の教育委員長と教育長の役割を、新たな教育長へ一本化した。首長が議会の同意を得て教育長を直接任命する仕組みとし、教育委員会と首長が協議する場も設けた。
制度上の継続
教育委員会は、引き続き重要事項を合議する執行機関として存続し、首長とは区別された権限を担う。
解説メモ|責任者を明確にし、その判断を点検する
責任者の明確化には、緊急時の対応や組織内の調整を進めやすくする意味がある。実務が教育長に集まるなかで、他の委員が状況を把握し、判断に関われるかも重要になる。改革を考察する際には、指揮や責任がどう明確になったかを、報告・審議・公開・議会の関与など、判断を点検する仕組みとあわせて捉える。
出典:2014年改正法の立法資料、自治体の制度解説。内閣法制局 追加出典:文部科学省「今後の地方教育行政の在り方について(諮問)」(2013年)文部科学省 諮問
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

総合教育会議と大綱:教育と一般行政を調整する
現在地|Ⅲ 判断の主体と責任
総合教育会議
首長と教育委員会が、教育・学術・文化の振興や、重点的な教育条件整備等について協議・調整する場である。首長が設置し、会議は原則として公開される。
教育に関する大綱
首長が総合教育会議で協議したうえで定める、地域の教育施策の基本的な方向である。
解説メモ|共通の課題を協議し、それぞれの権限で実施する
不登校支援には、学校教育、福祉、医療、居場所づくり、予算などが関わるため、総合教育会議は、各分野の必要と対応を共有する場になり得る。協議を通して方針を調整した後も、各機関は自らの法定権限に基づいて実施する。会議の設置を、教育委員会の権限が首長へ移ることと混同せず、権限の分担を前提とした連携として理解する。
出典:地方教育行政法改正に関する立法資料。内閣法制局
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

教育の中立性と学校の自主性
現在地|Ⅲ 判断の主体と責任
教育には、特定の党派の利益に従属することを避け、子どもの学習や発達を継続的に支えることが求められる。学校は、法令と教育課程の基準に基づき、子どもや地域の実態に応じた教育活動を組み立てる。
仮想事例
市長が郷土への関心を育てるため、歴史教育の充実を提案した。学校では、地域の史料を用い、複数の立場から考える授業を構想している。
解説メモ|施策の提案と、授業に関する判断を区別する
首長が教育方針や予算を提案することと、個別の教材や授業の結論を指定することでは、関わる権限と手続が異なる。授業内容や教科書採択についても、それぞれ法令に基づく判断の仕組みを確かめる必要がある。学校の自主性は、専門的な判断を支えるものであり、学校には、その判断の根拠や手続を社会に説明する責任もある。
出典:教育基本法第14・16条、教育委員会の職務に関する文部科学省資料。文部科学省
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

Ⅳ 制度を機能させる条件
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

地方分権を支える行政能力と広域連携
現在地|Ⅳ 制度を機能させる条件
権限を分けることと、必要な支援を実際に届けることには違いがある。自治体の職員体制や学校・地域との連携が、その間をどう支えるかを考える。
地方公共団体が独自の教育施策を実施するには、財源と人員を確保し、法制度を理解するとともに、学校の状況を把握し、関係機関を調整する力が必要になる。
2023年7月の「『令和の日本型学校教育』を推進する地方教育行政の充実に向けて」は、小規模自治体への支援や広域連携等を課題として取り上げた。
共同化できる取組の例
教職員研修、教材の調達、専門職の活用、デジタル基盤の整備、行政実務の共有などがある。
解説メモ|協働する主体と、責任の所在をともに示す
教育ガバナンスは、国・自治体・学校に加え、保護者、地域住民、NPO、福祉・医療機関などの関わりから、教育の意思決定と実施を捉える視点である。自治体間の広域連携は、その一つの方法となる。資源を共同利用する際にも、誰が方針を決め、費用を負担し、支援を届け、問題が起きたときに説明するかを明確にする。協働を進めても、公的な教育保障の責任がなくなるわけではない。
出典:文部科学省、2023年報告。文部科学省
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

コミュニティ・スクール:学校運営への制度的な参加
現在地|Ⅳ 制度を機能させる条件
コミュニティ・スクールは、学校運営協議会を設置する学校である。制度は2004年に導入され、2017年改正では、教育委員会による設置が努力義務となった。
学校運営協議会の主な権限
内容
基本方針の承認
校長が作成する学校運営の基本方針を承認する
学校運営への意見
教育委員会または校長に意見を述べる
教職員の任用への意見
教育委員会規則の範囲で、任命権者等に意見を述べる
解説メモ|地域の関与を、学校の方針についての協議へ広げる
学校運営協議会では、保護者や地域住民等が、一定の権限を持って学校の目標や運営について協議する。行事の手伝いなどの実施協力と比べると、学校が何を目指し、そのためにどの条件を整えるかを検討する点に特徴がある。教職員の任用への関与は意見を述べる権限であり、直接の採用や授業への自由な命令とは区別して理解する。
出典:文部科学省「コミュニティ・スクール」。文部科学省
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

学校運営協議会・地域学校協働活動・PTAの違い
現在地|Ⅳ 制度を機能させる条件
仕組み・組織
主な役割
学校運営協議会
学校運営の方針等を協議し、制度上の権限を行使する
地域学校協働活動
幅広い住民・団体と学校が、子どもの学習や成長を支える活動を行う
地域学校協働活動推進員等
学校と地域の間で、企画・連絡・調整を担う
PTA
保護者と教職員による自主的な団体として活動する
2026年3月には、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な推進に関する手引が公表された。
解説メモ|学校の方針と、活動を支える人・資源を結びつける
学校運営協議会で放課後の学習機会の必要を確認した場合、実施には、人材、場所、費用、連絡調整を具体的に整えることになる。日々の活動も、学校の教育目標に照らして検討することで、その役割を明確にできる。一体的な推進とは、このように、方針を協議する仕組みと、実際の活動を支えるネットワークを結びつけることである。
出典:文部科学省「『コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進』に係る手引き」(2026年3月)。PTAの位置は原教材参照。公表ページ
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

制度の普及と、参加の実態を捉える
現在地|Ⅳ 制度を機能させる条件
2025年5月1日現在
指標
調査対象の公立学校における状況
コミュニティ・スクール
22,009校・64.9%
CSと地域学校協働本部の両方を整備
17,481校・51.6%
参加の実態を捉える問い
誰が委員や活動者となり、子どもや保護者のどのような困難が議題に取り上げられているかを確かめる。その議論が、資源配分や教育活動にどう反映されたかも検討する。
解説メモ|会議に参加しにくい人の経験を、協議へ届ける
地域の代表者が集まる会議でも、出席しにくい家庭や外国につながる保護者、学校に通いにくい子どもの経験を把握するには、別の意見聴取の機会や通訳、分かりやすい資料が必要になる。検討結果を説明することも、その後の参加を支える。地域参加を、教育の内容と条件について意見を出し、判断に関わる機会として捉える視点である。
出典:文部科学省「令和7年度コミュニティ・スクール及び地域学校協働活動実施状況調査」。文部科学省
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

研究関心を、権限と教育条件の関係へ深める
現在地|Ⅳ 制度を機能させる条件
教員不足
学校の必要、市町村の要望、都道府県の配置判断はどう結びつくか
首長の教育政策
大綱や予算の方針は、教育委員会の判断とどう調整されるか
地域との連携
協議会での議論は、活動や資源配分にどう反映されるか
教育格差
自治体の財政・人員・専門性の差を、どの仕組みで補えるか
子どもの参加
子どもの意見は、どの経路を通って学校や行政の議題になるか
解説メモ|学校の必要が、行政の判断に届く過程を問う
教育委員会への関心は、学校で日本語指導の必要がどのように把握され、予算や人員配置の決定に届くかという問いに具体化できる。この過程をたどると、組織ごとの権限と、子どもの学習機会がどう結びついているかを検討できる。制度の名称や組織構成を押さえたうえで、その運用が教育を支える過程に注目することが、研究の焦点となる。
関心の入口/具体化できる研究課題
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

演習・権限の説明・論述
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

複数選択問題1:支援を増やすため、誰が何を行うか
現在地|演習・権限の説明・論述
本講座作成・仮想事例
市町村立中学校が、日本語指導と学習支援の充実を求めている。校長が必要な支援を整理し、市教育委員会は、県費負担教員の配置と市独自の支援員配置を組み合わせる案を検討している。
権限と実施の関係について、適切な説明を二つ選びなさい。
A.市教育委員会が学校の必要を整理し、県費負担教員の配置について都道府県と調整する。
B.市教育委員会が必要と認めれば、市の予算は議会の議決なしに成立する。
C.市独自の支援員等について、首長部局との予算調整と、学校内での役割分担を検討する。
D.校長が学校を管理するため、県費負担教員の任命権も持つ。
E.国が教育基準を定めるため、すべての配置要望は各学校から文部科学省へ直接提出する。
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

複数選択問題2:35人学級を実現する条件
現在地|演習・権限の説明・論述
本講座作成・仮想の制度実施課題
ある中学校の一学年に72人が在籍している。40人を標準とする場合と35人を標準とする場合では、単純な人数計算上、必要な学級数が異なる。追加教室の候補はあるが、教員配置と時間割はまだ調整されていない。
教育行政上の対応として適切なものをすべて選びなさい。
A.学級数の変化に応じて、教室、教員、教科指導、校内の支援を組み合わせて計画する。
B.人数の基準が法律で変われば、必要な人員と教室も自動的に確保される。
C.教室整備と教員配置を担う主体が異なるため、関係する行政主体の調整が必要になる。
D.指導方法は学級規模と関係しないため、学校は従来の方法を検討せず継続すべきである。
E.学級規模の縮小によって改善したいことを、学校の教育目標と結びつける。
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

複数選択問題3:CSの導入率から施策を考える
現在地|演習・権限の説明・論述
本講座作成・政策検討
自治体がCSの導入を進め、協議会の開催は増えたが、学校からは「地域との連絡調整を担う人が不足している」という声が出ている。会議には地域の役職者が参加する一方、一般の保護者から意見を集める機会は少ない。
次の施策として適切なものを二つ選びなさい。
A.導入率が上がったため、学校と地域の協働に関する施策は完了したと判断する。
B.協議した方針を活動へつなぐ調整役と、活動を継続するための条件を整える。
C.参加の質を高めるため、会議の回数だけを増やす。
D.委員以外の保護者や子どもの経験を把握し、協議に反映する経路をつくる。
E.地域住民が参加する制度なので、行政による人員・財政支援は不要とする。
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

複数選択問題4:首長の方針と教育委員会の判断
現在地|演習・権限の説明・論述
本講座作成・仮想材料
市長は、郷土の歴史を学ぶことを重点施策に掲げ、総合教育会議で協議したいと考えている。同時に、市内のすべての学校で同じ結論を教えるよう、個別の教材や授業内容も指定しようとしている。
制度と教育の自主性を踏まえた説明として適切なものをすべて選びなさい。
A.地域の教育方針や、その実施に必要な条件を総合教育会議で協議することは考えられる。
B.首長が大綱を定めるため、教育委員会の権限はその都度首長へ移る。
C.重点施策を提案することと、個別の授業・教材について判断する権限を区別する必要がある。
D.選挙で選ばれた首長の方針であれば、学校は教育上の理由を検討する必要がない。
E.学校にも、教育目標や教材を選んだ理由を説明する責任がある。
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

複数選択問題5:小規模自治体の教育行政
現在地|演習・権限の説明・論述
本講座作成・比較事例
二つの町が、教育相談の専門職を共同で活用する計画を立てた。一方の町には相談場所があるが、もう一方では、通院や通学に利用できる交通手段も限られている。担当者は「同じ専門職を配置すれば、同じ支援が実現する」と考えている。
計画を深める考察として適切なものをすべて選びなさい。
A.専門職の共同活用には、各町が単独では確保しにくい人材を得る意義がある。
B.同じ人員を共有すれば、利用者の移動や相談時間を考える必要はない。
C.共同化すると地域の事情は扱えなくなるため、広域連携は原理的に不可能である。
D.相談場所、利用時間、学校との情報共有など、各町で支援を利用するための条件を調整する必要がある。
E.町ごとの必要を、共同事業の意思決定に反映する仕組みが必要である。
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

現在地|演習・権限の説明・論述
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

現在地|演習・権限の説明・論述
研究への接続
学校運営協議会の研究では、誰が何を議題として提起し、その議論が学校の方針や行政の資源配分にどう結びつくかを問える。制度の設置状況を押さえたうえで、参加する人々の経験が、教育の内容や条件にどう反映されるかへ検討を進められる。
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

現在地|演習・権限の説明・論述
行政の効率化を考える際にも、その仕組みを通して、どの学習者や家庭に支援が届くかを確かめる。
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

小論文A:教育学共通基礎・地域差と教育保障
現在地|演習・権限の説明・論述
本講座作成/60分/1,000〜1,200字
地域によって教育上の課題や利用できる資源が異なるとき、全国共通の教育保障と、地域の実情に応じた教育をどのように関係づけるべきか。現代日本の具体的な教育課題を一つ取り上げ、国・地方公共団体・学校の役割を論じなさい。
取り上げられる課題
教員配置、日本語指導、特別支援教育、不登校支援、学校の小規模化、デジタル環境、学校外の学習機会など。
設問の中心
全国で共通に保障する条件と、地域や学校で調整する内容を具体化し、それぞれを誰が担い、どう連携するかを述べる。
特定大学の過去問の転載ではない。
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

現在地|演習・権限の説明・論述
本講座の評価基準
課題の具体化25/制度理解25/役割の接続25/論証15/日本語10。
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

過去問演習B:青山学院大学・民主性と専門性
現在地|演習・権限の説明・論述
青山学院大学大学院教育人間科学研究科 教育学専攻/2024年度・一般入試(秋)/論文Ⅰ(2)
原題
教育政策・行政における民主性と専門性の関係性について、あなたの考えを述べなさい。
原試験の指示
以下のすべての設問に日本語で解答しなさい。
次のなかからひとつを選び、あなたの考えを述べなさい。なお、2問以上に解答した場合は無効となるので注意すること。
出典:保管している試験問題「2024年度 教育人間科学研究科 教育学専攻<一般入試(秋)>.pdf」PDF第1頁に基づく整理版。試験問題PDF
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

現在地|演習・権限の説明・論述
解説メモ|対立の列挙から、両立の条件へ進む
授業内の確認観点:両概念の定義/具体的な制度例/緊張と両立条件/自分の見解。
本講作成の解説。大学の公式解答・採点基準ではない。
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】