
社会教育
人々の学習を支え、 共同の生活と地域の形成につなぐ
実学志教育学専門課程
講師:KIKI
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本講の流れ:人々はどこで、誰と、何のために学ぶか
本講座作成・仮想事例
公民館で活動する料理サークルが、地域の高齢者と食事をする会を始めた。活動を続けるうちに、費用、食の安全、参加者の移動、役割の偏りが課題となり、住民と職員が話し合うようになった。
この事例からは、講座で知識を得ることに加え、活動で生じた問題を扱いながら、判断や他者との関係を変えていく学習にも目を向けられる。
Ⅰ 概念・歴史・権利 ↓ 学校教育以外の学習を、どう位置づけてきたか
Ⅱ 成人学習 ↓ 経験、自己決定、対話、参加をどう理解するか
Ⅲ 制度と専門職 ↓ 学習を支える施設・人材・資源をどう整えるか
Ⅳ 現代の課題 自主性と公的な支援を、地域でどう結びつけるか
到達目標は、人々が何を経験し、どう学ぶかを、その学習を支える施設・専門職・制度と関連づけて説明できるようになることである。
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Ⅰ 概念・歴史・権利
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社会教育・生涯学習・成人教育の違い
現在地|Ⅰ 概念・歴史・権利
概念
主に何を捉えるか
社会教育
学校の教育課程以外で行われる組織的な教育活動と、その支援
生涯学習
人が生涯にわたり、さまざまな場面で行う学習
成人教育
成人を対象とする教育・学習の領域
生涯教育
生涯にわたる学習を可能にするよう、教育を再構成する考え方
社会教育法第2条は、学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年・成人を対象とする組織的な教育活動を社会教育と定義し、体育・レクリエーションも含めている。
解説メモ|学ぶ場所、制度上の位置、対象年齢を区別する
学校の教室を使う住民向け講座は、教育課程外の組織的な活動として社会教育に位置づき得る。一方、校外で行う学校の授業は、学校教育課程の一部である。生涯学習には、こうした学校教育を通した学習も含まれ、成人教育は主に対象年齢から領域を捉える。四つの概念が何を基準にしているかを確かめることで、重なりと違いを説明できる。
出典:社会教育法第2条、原稿の概念整理。e-Gov法令検索社会教育
制度上の注意:「社会教育」は法律上の組織的な教育活動を指す。「生涯学習」は学ぶ人の側から生涯にわたる学習を捉える広い理念であり、両者は重なる部分を持ちながら意味の範囲が異なる。社会教育行政は、施設講座の主催に加え、学習機会・条件の整備や関係者間の連携も担う。
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フォーマル・ノンフォーマル・インフォーマルな学習
現在地|Ⅰ 概念・歴史・権利
区分
主な特徴
例
フォーマル
学校制度等のなかで組織され、修了や資格に結びつく
学校・大学の教育課程
ノンフォーマル
制度化された学校課程の外で、意図的・組織的に行われる
公開講座、住民向け研修
インフォーマル
生活や仕事、他者との関係のなかで生じる
活動中の相談、試行錯誤
解説メモ|計画された学習と、活動のなかで生じる学習
防災講座で用意された内容を学び、避難訓練では住民同士の相談から新しい課題に気づく場合、異なる形の学習が一つの取組のなかで関わっている。社会教育の分析では、主催者がどの教育内容を組織したかと、参加者が実際に何を学んだかを分けて捉える。生活のなかで生じる学習は重要な分析対象になるが、社会教育法上の「組織的な教育活動」に当たるかどうかは、活動の組織性や位置づけを別に確かめる必要がある。
参考:原稿の学習形態の整理、UNESCOの成人学習に関する枠組み。社会教育UNESCO生涯学習研究所
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社会教育の歴史:啓蒙・教化と、自主的な学習
現在地|Ⅰ 概念・歴史・権利
学校外の学習と、国民への働きかけ
近代学校が広がっても、働く青年・成人の学習を学校教育だけで支えることはできなかった。日露戦争後の社会の近代化を背景に、図書館・講演・青年団に加え、映画等も社会教育の対象となった。自主的な学習を広げる活動と、人々の考え方や行動を導く行政の教化が重なっていた。
行政領域としての制度化
1921年に文部省官制の「通俗教育」が「社会教育」に改称され、1924年に社会教育課、1925年に地方社会教育職員制、1929年に社会教育局が設けられた。国と地方に担当組織・職員を置き、学校外の教育も政策として進める体制を整えた。
戦時から戦後への問い
1937年に日中戦争が全面化すると、政府は国民精神総動員のもと、団体やメディアを通じた教化を強めた。学習の場を組織することは、参加者が目的を自分で決められることを必ずしも意味しない。戦後には、この関係を改め、人々の自発的な学習と民主的な地域生活をどう支えるかが問われた。
出典:文部科学省『学制百二十年史』社会教育関係部分、原稿の歴史整理。
文部科学省 戦後社会教育の転換 社会教育
文部科学省 通俗教育の振興・青年団 文部科学省 社会教育行政機構の整備
文部科学省 社会教育行政の整備・戦時下
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1946年公民館構想と、1949年社会教育法
現在地|Ⅰ 概念・歴史・権利
敗戦後の民主化では、成人を国の方針に動員する対象としてだけ扱う関係が問い直された。1945年の選挙法改正で新たに有権者となった人々への政治教育や、住民が生活を立て直すための学習が課題となった。1946年7月の公民館設置・運営方針は、文化・交流・自治・産業等を結ぶ地域の拠点を構想した。
1947年の教育基本法等による社会教育振興の位置づけを受け、1949年6月10日に社会教育法が公布された。国・地方公共団体の任務、公民館、社会教育関係団体等を定め、学ぶ場と条件を整える行政の責任を明確にした。団体への不当な統制・干渉を避けることと、学習環境を公的に支えることを区別して理解する。
解説メモ|住民が学べる条件を、公的に整える
住民が自ら学習を進めるには、集まる場所、資料、人材、情報、時間などが必要になる。社会教育法第3条は、国と地方公共団体が施設、集会、資料等を通して学習環境を整える役割を示している。行政が直接提供する教育活動を、このような条件整備と区別すると、住民自身の学習を公的に支えるという、戦後社会教育の制度的な意味を理解しやすい。
出典:文部科学省の社会教育史、富士見市「公民館の歴史」、社会教育法。文部科学省 戦後社会教育・社会教育関係法 社会教育法
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公民館と社会教育関係団体:自主性を支える制度
現在地|Ⅰ 概念・歴史・権利
社会教育法第20条は、公民館が実際生活に即した教育・学術・文化に関する事業を行い、教養、健康、情操、生活文化、社会福祉等に寄与することを示している。
同法第12条は、社会教育関係団体に対する不当な統制的支配や干渉を禁じ、第23条は、公民館が専ら営利を目的とする事業等を行うことに制約を設けている。
解説メモ|学ぶ内容と、施設を利用する目的を確かめる
地域経済や政治・社会の問題を学ぶ活動は、その話題に営利や政党が関わるという理由だけで、一律に排除されるものではない。学習としての検討と、特定の事業者や政党の利益のために施設を用いることを区別する必要がある。活動の目的、利用条件、他の住民への開放性を具体的に確かめることで、学習の自由と、公的施設としての責任をあわせて考えられる。
出典:社会教育法第12・20・23条、文部科学省の公民館運営FAQ。e-Gov法令検索
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生涯教育の構想:人生の各段階で学べる社会をつくる
現在地|Ⅰ 概念・歴史・権利
学校期に集中する教育を問い直す
高度経済成長を経て、技術革新は仕事で必要な知識を変え、長寿化・余暇の増大や高学歴化は、卒業後も関心に沿って学ぶ要求を広げた。都市への人口移動や家族の変化は、地域でのつながりや生活上の課題にも関わった。学校期だけに教育を集中させる仕組みでは、人生の途中で生じる学習の必要を十分に支えにくい。1965年のUNESCOの議論でラングランが示した生涯教育は、人生の各段階を結ぶ「時間的な統合」と、学校・家庭・仕事・地域を結ぶ「生活領域の統合」を重視した。
日本の制度への展開
1971年の中教審答申は、生涯教育の観点から教育体系の整備を提起した。1981年「生涯教育について」答申を経て、1980年代の臨時教育審議会は学習者の自由な意思に着目し、生涯学習体系への移行を掲げた。1988年に生涯学習局、1990年に生涯学習振興法、2006年に教育基本法第3条の理念が整えられた。
解説メモ|学習者の自由を、利用できる機会に結びつける
学ぶ目的や方法の選択肢を広げても、費用、時間、ケア、移動によって機会には差が生じる。生涯学習への転換は、学習を本人の自己責任に任せる根拠にはならない。学校、社会教育、企業・民間事業等の役割と、公的な条件整備をあわせて検討する。
出典:原稿の生涯教育論、1981年答申、教育基本法第3条。社会教育国立国会図書館サーチ 文部科学省 生涯学習概念の系譜 文部科学省 生涯学習振興施策の経緯 教育基本法
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1985年学習権宣言:学ぶことを生活の基盤に位置づける
現在地|Ⅰ 概念・歴史・権利
1985年3月、フランス・パリで開催された第4回ユネスコ国際成人教育会議で、学習権宣言が採択された。
宣言が示す学習の広がり
読み書き、問い考えること、想像し創造することに加え、自分の世界を読み取り、歴史を記すことが含まれる。教育の手段を得て、個人・集団の力を発達させることも、学習権として示された。
2022年のマラケシュ行動枠組みも、成人学習への参加、包摂、公的な条件整備を重視している。
解説メモ|生活の困難に向き合うためにも、学ぶ機会が必要になる
制度を理解し、自分の経験を語り、他者と対応を考えることは、困難な生活状況にある人にとっても必要な学習である。学習権宣言は、学ぶことを趣味や資格の取得を含む幅広い活動として捉え、自分の生活と社会に関わるための基盤に位置づけた。国際的な宣言・行動枠組みの意義を押さえる一方、日本国内で個別に行使できる法的な請求権とは区別して理解する。
出典:UNESCOのCONFINTEA史、学習権宣言の大学による解説、マラケシュ行動枠組み。UNESCO生涯学習研究所
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松下圭一『社会教育の終焉』:行政と市民の関係を問う
現在地|Ⅰ 概念・歴史・権利
松下圭一は、1986年の『社会教育の終焉』で、成熟した市民を行政の教育対象として位置づけ続ける発想を批判し、市民の自己教育と自治を重視した。
本講で検討する問い
行政が望ましい住民像や地域課題を先に定めるとき、市民が自ら課題を考える余地はどこにあるか。市民の自主性を、学習条件を公的に保障することとどう関連づけるかを考える。
解説メモ|市民が自ら学ぶことを、どのように支えるか
松下の議論は、成人が学ぶ必要の有無を問うことと区別し、行政が市民をどう位置づけるかへの批判として理解する。本講では、その批判を踏まえ、学習内容を一方的に与える支援と、資料や場所を利用して市民が自ら学べる条件を整える支援を比較する。公的支援を縮小すれば、情報や費用による差が広がる可能性もあるため、自主性と条件整備の関係が検討課題となる。
出典:松下圭一『社会教育の終焉』(1986年)、出版社の内容紹介。後半は本講の検討課題。筑摩書房
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Ⅱ 成人学習
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ノールズ:成人の経験と自己決定を支える
現在地|Ⅱ 成人学習
学習する権利と場を保障したとき、そこで人は何を通して学ぶのか。経験・省察・参加の違いを、成人学習の理論から考える。
観点
支援への示唆
学ぶ必要の理解
なぜ学ぶのかを共有する
自己概念
自分で判断し、学習に関わる余地を設ける
経験
生活・仕事の経験を学習資源として生かす
学習への準備
生活上の課題との関係を捉える
学習の方向
現実の問題と知識を結びつける
動機
外的条件と内的な関心の双方を見る
解説メモ|自己決定を、実際の経験と必要に即して支える
成人も、初めて学ぶ分野や参加を求められた研修では、目的や方法の説明、学習を進める支援を必要とする。子どもにも豊かな経験や自己決定する力があるため、成人と子どもを一律に対立させることは適切ではない。アンドラゴジーは、対象者が何を経験し、何を必要としているかを確かめ、本人が判断に関われる学習を組み立てる枠組みとして用いる。
出典:原稿のアンドラゴジー整理、St. Clairによる検討。社会教育Wiley Online Library
ノールズのアンドラゴジーは、成人の学習を支援する際に考慮すべき特徴を整理した考え方である。
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メジロー:経験を解釈する前提が変わる学習
現在地|Ⅱ 成人学習
メジローの変容的学習は、経験を理解する際に用いてきた前提や意味づけの枠組みを吟味し、捉え直す学習を扱う。
本講座作成・仮想事例
地域活動に来ない人を「関心がない」と考えていた住民が、対話を通して、勤務時間、介護、言語、過去の参加経験を知り、参加を評価していた自分の基準を考え直した。
解説メモ|何を当然として理解していたかを確かめる
活動の方法を覚えることと、「参加しない人をどう見ていたか」を問い直すことでは、変化する内容が異なる。変容的学習では、経験を解釈してきた前提への省察と、他者との対話に注目する。意見の変更をすべて変容と呼ぶのを避けるためにも、以前は何を当然とみなし、その前提がどの経験を通して再検討されたかを具体的に示す必要がある。
出典:Mezirow(1997), “Transformative Learning: Theory to Practice”。Wiley Online Library
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レイヴとウェンガー:実践への参加としての学習
現在地|Ⅱ 成人学習
レイヴとウェンガー(1991)は、学習を実践共同体への参加の変化として捉え、正統的周辺参加を論じた。
語
意味
正統的
実践に関わることが認められ、資源や人々にアクセスできる
周辺的
初めからすべてを担わず、関われる位置から参加する
参加
活動や関係に関わるなかで、知識、役割、成員としての自己理解が変わる
解説メモ|担当する作業から、実践全体にどう関われるか
新人が配布作業を担う場合、その活動の目的や判断の理由を知り、相談や会議に関われることが、参加の広がりを支える。作業を繰り返していても、情報や人間関係への接近が閉ざされていれば、関わり方は限定されたままになり得る。周辺性を単に弱い立場と捉えず、道具、情報、人々、意思決定にどのようにアクセスできるかから検討することが重要になる。
出典:Lave & Wenger(1991), Situated Learning。Cambridge University Press
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フレイレ:生活の問題を語り、行動につなぐ
現在地|Ⅱ 成人学習
フレイレは、知識を一方的に預け入れるような「銀行型教育」を批判し、生活の問題を対話の対象とする教育を論じた。
意識化は、自分たちの生活を問い直し、それを形づくる社会的な関係を捉える過程である。プラクシスは、現実に働きかける行動と、その行動についての省察を結びつける。
解説メモ|生活経験を、共同の問いと行動に結びつける
交通の不便を自分が我慢する問題と考えていた人々が、互いの経験や制度を検討し、行政への提案を考える場合、生活への理解と社会への働きかけが関わっている。支援者には、資料や専門知識を提供し、当事者が問いを深められる関係をつくる役割がある。先に定めた「正しい認識」への同意を求めると、学習者自身の対話と判断を重視する理念と矛盾が生じる。
出典:原稿のフレイレ・批判的成人教育の整理。社会教育
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ジェルピとリカレント教育:誰のために学び直すか
現在地|Ⅱ 成人学習
OECD/CERIは1973年『リカレント教育―生涯学習のための一戦略』で、義務教育後の教育を青年期だけに集中させず、仕事や他の社会活動と交互に行える制度の再編を提案した。現在の「学び直し」を考える際にも、講座の提供と、休暇・費用・入学機会など参加を可能にする条件を結びつける必要がある。
ジェルピの生涯教育論は、学習を雇用や経済の要請に従属させることを問い、労働、生活、文化、社会的な関係のなかで人間の学習を捉えた。
視点
問うこと
職業能力
どの仕事に必要な知識・技能を学ぶか
生活と自己形成
どのように生き、自分の経験を意味づけるか
社会参加
仕事や地域の条件にどう関わるか
解説メモ|学ぶ内容と、目的を選び実現する条件を考える
仕事の変化に対応するための学習には、受講費や時間を確保できることが必要になる。参加できない状況を本人の努力だけで説明すると、雇用や生活による制約が見えにくい。成人教育では、学ぶ内容の職業的な有用性を、本人が学習目的を考える自由や、必要な機会を実際に利用できる条件とあわせて検討することが求められる。
出典:原稿のジェルピ・リカレント教育論、マラケシュ行動枠組み。社会教育UNESCO生涯学習研究所 OECD/CERI(1973)Recurrent Education 原報告PDF(ERIC)
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同じ地域活動を、四つの理論から読む
現在地|Ⅱ 成人学習
本講座作成・仮想事例
住民が食事会を運営し、参加者の移動や費用、役割分担について検討している。
理論
注目する学習
アンドラゴジー
住民の経験と必要を生かし、自ら判断できるようにする支援
変容的学習
高齢者や参加者を理解してきた前提の捉え直し
正統的周辺参加
新しい参加者が活動や判断に関わる位置の変化
フレイレの対話的教育
個々の困難を共同で語り、制度の理解や行動につなげること
解説メモ|説明したい変化に応じて、理論を選ぶ
学習目的を誰が決めるか、意味づけの前提が変わるか、実践への関わり方が広がるか、生活の問題を社会との関係から捉え直すかは、それぞれ異なる問いである。四つの理論に共通する経験の重視を押さえながら、何を学習として説明するかの違いも明確にする。研究や小論文では、事例のどの変化に注目するのかを示し、その説明に合う理論を用いる。
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Ⅲ 制度と専門職
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社会教育の場:施設・団体・活動を関連づける
現在地|Ⅲ 制度と専門職
同じ地域活動を異なる理論で読んだことを踏まえ、その学習を続けられる施設・人材・時間を誰が整えるかを検討する。
場・主体
主な学習機能
公民館
集い、学び、交流し、活動を組織する
図書館
資料・情報を提供し、調査や読書を支える
博物館
資料の保存・研究・展示を通して学習を支える
青少年教育施設等
体験や集団活動を通して、自然や生活について学ぶ
住民団体・NPO・大学等
自主的活動、専門的な学習、地域との協働を行う
解説メモ|必要な資料や人を、複数の場から利用する
地域の歴史を調べる活動には、住民の語り、公民館での話合い、図書館の資料、博物館の収蔵資料などが関わる。それぞれの専門性を生かし、利用者が必要な情報や人に出会えることが、学習を支える。社会教育を捉える際には、公立施設の主催事業とともに、住民の自主的活動が、公的・民間のさまざまな資源をどう利用しているかにも注目する。
出典:教育基本法第12条、原稿の施設・団体の整理。文部科学省社会教育
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社会教育主事・社会教育士・社会教育委員
現在地|Ⅲ 制度と専門職
名称
制度上の性格
社会教育主事
教育委員会事務局等に置かれる専門的な職。社会教育を行う者に専門的・技術的な助言・指導等を行う
社会教育士
所定の講習・養成課程等を修了した人が用いられる称号。2020年度から制度が始まった
社会教育委員
社会教育の計画立案、意見の提出、調査研究等を通して行政に関わる委員
社会教育士の称号の取得と、社会教育主事としての任用には、それぞれ異なる制度上の位置づけがある。
解説メモ|専門性を、どの立場でどう生かすか
社会教育主事は、行政のなかで学習条件を整え、関係機関をつなぐ役割を担う。社会教育士は、学校、福祉、NPO、企業等のさまざまな場で、学習支援の専門性を生かすことができる。その専門性を実際の活動に結びつけるには、役割を担う機会と、組織内での位置づけ、継続して学ぶ条件が必要になる。称号を持つ人数と、配置や活動の状況を区別して考えることが重要である。
出典:社会教育法、文部科学省の社会教育主事・社会教育士制度説明。e-Gov法令検索
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社会教育主事・社会教育士・社会教育委員 (続き)
現在地|Ⅲ 制度と専門職
制度・役割を区別する
「誰が学ぶか」「誰が教育活動を組織するか」「誰が学習条件を整えるか」「誰が行政に意見を述べるか」を、成人学習者・団体・公民館等の施設・教育委員会/首長部局・社会教育主事/社会教育士・社会教育委員に対応づける。肩書だけで実際の権限や配置を推測しない。
解説メモ|専門性を、どの立場でどう生かすか
社会教育主事は、行政のなかで学習条件を整え、関係機関をつなぐ役割を担う。社会教育士は、学校、福祉、NPO、企業等のさまざまな場で、学習支援の専門性を生かすことができる。その専門性を実際の活動に結びつけるには、役割を担う機会と、組織内での位置づけ、継続して学ぶ条件が必要になる。称号を持つ人数と、配置や活動の状況を区別して考えることが重要である。
出典:社会教育法、文部科学省の社会教育主事・社会教育士制度説明。e-Gov法令検索
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2026年養成報告:学習と関係を組織する専門性
現在地|Ⅲ 制度と専門職
2026年7月3日、「社会教育主事・社会教育士の養成の在り方について」が報告された。
本講で注目する方向
多様な分野で学習を支える役割を明確にし、学習者と資源、組織、活動を結びつける力を育てる。養成で学ぶことを実際の活動に生かし、その後も継続して学べることが重視される。
本講での専門性の整理
人々の必要を聴き、学習課題をともに考え、資料や人材を紹介する。対話と参加を支えながら実施条件を調整し、活動を振り返ることも含まれる。
解説メモ|自主的な判断を、情報と関係の面から支える
学習者が判断するためには、制度や専門知識の説明、異なる経験を持つ人同士の調整、参加しにくい人への働きかけが必要になる。専門職は、こうした条件を積極的に整えながら、結論は学習者自身が検討できるようにする。養成の議論では、この働きかけを担う専門性が問われる。なお、養成報告の内容は、法令や資格要件が改正・施行されたこととは区別して理解する。
出典:文部科学省、2026年7月3日の養成報告・配付資料。文部科学省
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2024年度社会教育統計:施設の変化をどう読むか
現在地|Ⅲ 制度と専門職
以下は、2026年3月27日に公表された確定値であり、2024年度の施設数の基準日は、2024年10月1日である。
施設
2021年度
2024年度
公民館・公民館類似施設
13,798
13,031
図書館
3,394
3,400
青少年教育施設
840
783
生涯学習センター
496
1,079
2024年度は、公民館類似施設の調査対象が追加された。また、生涯学習センターについては、条例・要綱上の目的または事業に「生涯学習」を含む施設へと、定義が変更された。
解説メモ|集計上の変更と、住民が使える機会の変化を分ける
生涯学習センターの増加には定義の変更が関わるため、数の差をそのまま新設された施設数と読むことはできない。地域の学習機会を捉えるには、施設の統合・転換とともに、開館時間、職員、活動内容、交通を確認する必要がある。統計で全体の動向を押さえ、住民が何を、どの条件で利用できるかを具体的に調べることにつなげる。
出典:文部科学省『令和6年度社会教育統計』確定値。文部科学省
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Ⅳ 自主性と公共的支援
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不参加の背景から、学習の必要を捉える
現在地|Ⅳ 自主性と公共的支援
講座への参加には、時間、費用、交通、ケア、健康、言語、過去の経験などが関わる。内容への関心や、情報がどのように届くかも、参加を考える条件となる。
本講座作成・仮想事例
平日昼の子育て講座への参加は少なかったが、相談では「働いていて参加できない」「子どもを連れて入りにくい」「内容が自分の悩みと違う」という声が聞かれた。
解説メモ|施設を使っていない人の経験を知る
現在の利用者へのアンケートに、学校、福祉、地域団体等を通じた相談や情報を組み合わせると、施設を使っていない人の必要も把握しやすくなる。事例では、学ぶ意欲の有無を判断する前に、時間、子連れでの利用、講座内容が生活状況とどう合っているかを検討できる。参加しない理由を具体化することが、利用できる機会を広げる手がかりとなる。
参考:原稿の参加条件・社会教育の公正に関する整理。社会教育
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講座をつくる過程:要望から学習課題を具体化する
現在地|Ⅳ 自主性と公共的支援
本講での事業構想の整理
① 生活の必要を知る 困り事、関心、これまでの経験を聴く
② 学習課題を考える 状況に働きかけるために、何を理解・検討するかを整理する
③ 内容と方法を組織する 資料、対話、体験、専門家等を組み合わせる
④ 参加条件を整える 時間、費用、場所、情報、支援を調整する
⑤ 振り返る 学んだこと、残る必要、次の活動を検討する
解説メモ|生活場面を聴くことで、学ぶ内容が明確になる
「スマートフォンを習いたい」という要望には、行政手続、家族との連絡、写真の整理など、異なる目的が含まれ得る。どの場面で何をしたいかを聴くと、必要な操作練習を、情報の理解や相談の利用と組み合わせて構成できる。住民の言葉を具体的な生活に即して理解し、専門知識から提案できることを共有しながら、学習課題をともにつくっていく。
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趣味・文化の学習と、社会教育の公共性
現在地|Ⅳ 自主性と公共的支援
社会教育には、趣味、文化、表現、スポーツ等の学習も含まれる。楽しみ、自分を表現し、他者と過ごすこと自体が、学習の意義となる。
本講座作成・仮想事例
合唱サークルでは、歌い方を学び、表現を工夫し、互いの違いを調整する。こうした学習をサークル内で続ける場合もあれば、活動が地域行事に広がる場合もある。
解説メモ|学習そのものの価値と、機会の開かれ方を捉える
趣味の活動が見守りや地域活動に発展することはあり得るが、その展開を、学習の価値を認める唯一の条件にはできない。文化を学び、表現する機会が誰に開かれ、参加しにくい人にはどのような対応があるかも、公共性を考える観点となる。学習者が何を楽しみ、どう活動を続けたいかを尊重しながら、その機会を支える条件を検討する。
出典:公民館の目的、原稿の趣味・教養と公共性の論点。文部科学省社会教育
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デジタル化・多文化化:情報を生活や参加に生かす
現在地|Ⅳ 自主性と公共的支援
社会教育における情報の学習は、機器の操作や日本語の習得を、地域の制度を利用し、活動に参加することと結びつけて考えられる。
本講座作成・仮想事例
外国人住民と高齢者が地域の防災情報を確認し、言語、画面表示、制度の説明について、それぞれ分かりにくい点を出し合った。その経験をもとに、案内の改善を提案した。
解説メモ|利用する人の経験を、情報提供の改善に生かす
案内を読む人の経験を共有すると、行政側が気づかなかった説明の不足が明らかになる場合がある。社会教育では、機器の操作や言語を学ぶことを、自分が生活のどこで困るかを語り、情報の示し方を検討する活動に結びつけられる。事例は、個人が情報を使う力を身につけることと、制度や環境に働きかけることを、同じ学習のなかで考える手がかりとなる。
「リテラシーと教育―情報・メディア・デジタル・AI」のデジタル・デバイドと、本講の学習権・対話的教育を用いた事例。
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防災学習:知識を用いて、ともに判断する
現在地|Ⅳ 自主性と公共的支援
防災学習では、災害や地域の危険、避難、情報、支援の役割について学び、その知識を実際の生活条件に照らして、必要な対応を考える。
活動
学習の焦点
地域を歩く
地図だけでは把握しにくい移動や情報の条件
避難所を検討する
食事、医療、言語、プライバシー、ケア
訓練後に話し合う
想定と実際の違い、役割と資源の見直し
経験を記録する
次の参加者や世代への知識の引継ぎ
解説メモ|住民の経験から必要を知り、担う責任を具体化する
地域を歩いたり訓練を振り返ったりすることで、住民は生活に即した必要を示せる。そこで確認した設備、情報保障、専門的対応には、行政や関係機関が担うべき責任もある。防災学習を、誰がどの条件を保障するかを考える場として組み立てることで、住民が協力する範囲と、公的に整える事項を具体化できる。
原稿の防災学習を、本講の理論から具体化。社会教育
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学校・福祉・住民組織をつなぐ
現在地|Ⅳ 自主性と公共的支援
社会教育は、学校、福祉、文化、地域づくり等と関わる。分野を越えて活動を進める際には、関係者がそれぞれ何を課題と捉え、どの役割を担うかを共有する必要がある。
本講座作成・仮想事例
放課後の居場所づくりで、学校は学習、福祉機関は家庭支援、住民は交流を重視していた。子どもの経験を持ち寄って検討するなかで、活動の目的と、必要な支援を求める経路を考えた。
解説メモ|連携する人々も、問題の捉え方や役割を学び直す
異なる分野の人々が事例を検討すると、使う言葉や責任の範囲、重視する問題の違いが明らかになる。相手の見方を理解し、その経験に照らして役割を調整する過程は、連携を担う人々の学習としても捉えられる。学校運営協議会と地域学校協働活動についても、会議での理解が活動をどう変え、活動中の問題が再び協議にどう持ち込まれるかを問える。
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2026年審議:地域コミュニティを支える社会教育
現在地|Ⅳ 自主性と公共的支援
2026年7月3日の中央教育審議会の資料では、「地域コミュニティの基盤を支える今後の社会教育の在り方について」の審議経過報告案が示された。
主な方向
人とのつながりに支えられたウェルビーイングや、防災・子育て等に関わる共助を重視する。また、高齢者、障害者、外国人住民等が尊重され、参加できる地域を目指し、社会教育を担う人材と基盤の充実を図る。
制度資料を読むときの三分類
資料を読んで「法令・施行済み制度」「行政の方針・審議案」「本講の分析・提案」に色分けする。2026年の審議経過報告案を、すでに成立した法改正や全国一律の実施結果として書き換えない。
解説メモ|政策が目指すことを、実際の経験と変化から検討する
「人づくり・つながりづくり・地域づくり」は、社会教育の実践を考える方向を示している。その実現を確かめるには、誰が参加し、どの経験を共有し、判断や役割に何が変わったかを調べる必要がある。講座の開催から信頼や地域活動の形成までには、こうした具体的な過程があるため、政策上の目標と実践によって確認された成果を区別して捉える。
本頁は当日の審議経過報告案を扱うものであり、法改正や最終答申そのものではない。
出典:文部科学省、2026年7月3日配付資料。文部科学省
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社会教育の評価:利用・学習・活動・条件整備を捉える
現在地|Ⅳ 自主性と公共的支援
評価すること
確認する内容
利用・到達
誰に情報が届き、誰が参加できたか
学習
知識、理解、見方、判断がどう変わったか
活動・関係
新たな役割、協力、提案が生じたか
条件整備
人員、時間、費用、場所、情報が改善されたか
解説メモ|活動の目的に応じて、成果を確かめる
参加者を広く集める講座と、個別の相談を必要とする少人数の学習では、人数が示す意味は異なる。地域への提案が実現しなかった場合も、問題を理解し、次の働きかけの方法を得たことは学習の成果として検討できる。こうした変化を具体的に示すことと、どの資源を何のために用いたかを説明することを組み合わせ、活動の目的と対象に応じて評価する。
本講座による評価の整理。行政・専門職の責任と、学習者の自主性の両方を検討する。
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社会教育の研究関心を具体化する
現在地|Ⅳ 自主性と公共的支援
関心
研究課題の例
公民館の講座
住民の生活上の必要が、学習課題として組織される過程
住民組織
新しい参加者が役割や判断に関わる過程と、その条件
高齢者の学習
デジタル学習が生活、人間関係、自己理解にどうつながるか
専門職
自主性を尊重しながら、情報・人材・制度をどう結びつけるか
地域福祉
個人の困難が共同の課題として捉えられ、活動や制度への提案に結びつく過程
解説メモ|活動のなかで、何がどのように学ばれたかを問う
食事会や講座を研究する場合、実施内容を押さえたうえで、参加者が何を理解し、どの見方や役割を変更したかを調べられる。その変化に、職員、資料、話合い、財源等がどう関わったかも検討の対象になる。具体的な経験と変化を示すことで、活動の実施や成果を一括して学習と呼ぶことを避け、どの過程を学習として捉えるかを説明できる。
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演習・学習過程の分析・論述
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複数選択問題1:社会教育の範囲を考える
現在地|演習・学習過程の分析・論述
本講座作成・活動の比較
甲:市立中学校の教室で、休日に住民向けの防災講座が開かれる。
乙:中学校の授業として、地域の博物館を見学する。
丙:住民が自主的な読書会を組織する。
丁:家族との雑談から、偶然新しいことを知る。
適切な説明をすべて選びなさい。
A.甲は学校の建物で行われるため、必ず学校教育に分類される。
B.甲は学校教育課程外の組織的な活動として、社会教育に位置づき得る。
C.乙は校外で行われるため、学校の教育課程との関係がなくなる。
D.丙のような自主的な団体による学習も、社会教育を考える対象となる。
E.丁は学習として重要であるが、それだけで社会教育法上の組織的な活動に該当するとはいえない。
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複数選択問題2:新人は実践にどう関われるか
現在地|演習・学習過程の分析・論述
本講座作成・仮想事例
地域の食事会に加わった新人が、毎回片付けを担当している。活動には継続して来ているものの、運営方針を話し合う会議には参加できず、今の方法を採っている理由を尋ねる機会も少ない。
正統的周辺参加を用いた考察として適切なものを二つ選びなさい。
A.簡単な仕事を継続しているため、実践への参加は十分に開かれている。
B.新人が中心的な判断を知らないことは、理論上つねに望ましい。
C.活動の目的、道具、情報、人々に接する機会が、どのように認められているかを検討する。
D.担当する役割の継続とともに、参加の仕方や成員としての自己理解の変化を捉える。
E.新人をすぐに責任者にすれば、学習に必要な条件はすべて整う。
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複数選択問題3:経験を通して、何が変わったか
現在地|演習・学習過程の分析・論述
本講座作成・理論の比較
地域活動に来ない人を無関心だと考えていた住民が、対話を通して、勤務や介護、言語の条件を知った。その検討を踏まえ、活動時間と案内方法を変更した。
適切な分析をすべて選びなさい。
A.「不参加」をどう意味づけていたか、その前提を再検討した過程に、変容的学習の視点を用いられる。
B.活動時間を変更した事実だけで、参加者全員の準拠枠が変容したと確定できる。
C.生活経験を学習資源とし、本人の必要に即して学習を組織する点を、アンドラゴジーから考えられる。
D.専門職が望む説明に全員が同意したかだけで、対話的学習の成果を評価できる。
E.個々の経験を共同の問題として捉え、行動につなげた点を、フレイレの議論と関連づけられる。
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複数選択問題4:施設数の増加から施策を考える
現在地|演習・学習過程の分析・論述
本講座作成・資料型
生涯学習センターは、2021年度496施設、2024年度1,079施設と集計された。ただし、2024年度からは、条例・要綱の目的または事業内容に「生涯学習」を含む施設へと、定義が変更されている。
この数値を見た自治体職員が、「全国で新施設が倍増したので、わが町でも大型施設の建設を優先したい」と述べた。
適切な検討を二つ選びなさい。
A.全国の件数が増えているため、各自治体の学習機会も同じ割合で増えたと考えられる。
B.定義の変更を確認し、既存施設の転換・分類上の整理と、新設を区別する必要がある。
C.学習機会は施設数で十分に把握でき、職員や開館時間の情報は必要ない。
D.地域で必要な学習と、既存施設、人員、交通等を確認して、整備方法を検討する。
E.定義が変更された統計は、社会教育政策を考える際に一切利用できない。
出典:文部科学省『令和6年度社会教育統計』。文部科学省
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複数選択問題5:地域課題を扱う講座に全面転換するか
現在地|演習・学習過程の分析・論述
本講座作成・仮想材料
町は、趣味サークルの利用が多い公民館で、防災・福祉を担う人材の育成を重点化したいと考えている。既存利用者は文化活動の継続を望み、子育て家庭や外国人住民からは、利用方法そのものが分かりにくいという声も出ている。
本講の観点から適切な対応をすべて選びなさい。
A.地域課題の重要性と、既存の文化学習の意義を住民と共有し、事業の構成を検討する。
B.行政が公共的だと判断した内容であれば、住民が目的を考える機会は必要ない。
C.利用していない人にも情報を届け、時間、言語、子連れでの利用等の条件を確認する。
D.自主性を尊重するため、職員は資料や専門知識を一切提供しない。
E.地域課題への取組とともに、住民が自ら学習内容を決められる場を保障する。
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現在地|演習・学習過程の分析・論述
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現在地|演習・学習過程の分析・論述
専門答案への接続
理論を用いる際には、活動時間の変更、他者への理解、参加する位置、行政への提案など、実際に何が変わったかを示す。それらは関わり合っていても、同じ変化ではない。自分が説明する学習を具体的な経験から定めることで、理論が何を明らかにするかと、どこまで説明できるかを明確にできる。
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実際の入試問題A:学校から生涯学習につながる教育
現在地|演習・学習過程の分析・論述
筑波大学大学院教育研究科・2020年度入学試験
教育学(国際教育)修士プログラム/専門科目①
原巻の選択指示
以下の2つの問いのうち、1つを選択して解答しなさい。
原文
2015 年に国際連合で「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」が採択され、SDGs の目標4 では「すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習(lifelong learning)の機会を促進する」ことが提唱された。学校において「生涯学習につながる教育」とはどのような教育か、論じなさい。
原巻で確認できない試験時間・字数・入試区分を補わない。
出典:保管原巻PDF1頁に基づく転記。保管原巻PDF
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現在地|演習・学習過程の分析・論述
本講座作成の解答構想。大学の公式解答・採点基準ではない。
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小論文B:専門発展・自主性と専門的支援
現在地|演習・学習過程の分析・論述
社会教育・生涯学習・地域教育志望者向け/80分/1,400〜1,600字
材料:本講座作成。
公民館には地域課題への対応が期待され、専門職には、住民と多様な機関をつなぐ役割が求められている。行政が課題と到達目標を先に定めると、住民の学習が事業への動員となる可能性がある一方、現在の参加者の希望だけを受け入れていては、参加していない人の必要や、利用できる資源の違いを捉えにくい。
設問
(1)松下圭一の『社会教育の終焉』が提起した問題を説明し、社会教育法上の自主性と公的支援の関係を論じなさい。
(2)本講で学んだ成人学習理論を二つ用い、住民の自己決定を支えながら、地域の学習課題を形成するための専門的支援を構想しなさい。二つの理論が注目する学習の違いを明示すること。
参考にした出題内容:早稲田大学2026年度の公式出題意図では、社会教育施設の現状と課題、リカレント教育の個人的・社会的な意味等の理解が求められている。本問は独自作成。早稲田大学
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現在地|演習・学習過程の分析・論述
授業後の課題
社会教育法、学習権、社会教育主事・社会教育士、四つの成人学習理論について、それぞれ定義と具体的な学習場面を一組にして説明する。
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