
研究計画書特講
研究したい問題を、根拠と方法のある計画に組み立てる
実学志教育学専門課程
講師:KIKI
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本講の到達点:自分の研究を説明できる骨格をつくる
研究計画書では、何に関心があるかを、検討する問題、先行研究、用いる資料と分析方法に結びつけ、研究として進める見通しを示す。
現在の状態
本講で進めること
関心が定まらない
経験した疑問を、教育学の問いとして整理する
テーマはある
対象、概念、検討する関係を具体化する
原稿がある
先行研究、目的、方法のつながりを点検する
説明しにくい
用語と判断の理由を、自分の言葉で確かめる
解説メモ|現時点の見通しと、今後確かめることを示す
計画は、現在の問いと、それを検討するための見通しを示すものであり、読解や予備的な検討を通して修正することもある。その際、何が分かったためにどこを変えるのかを説明できれば、研究の進展を明確にできる。本講では約1,200字の骨格を作り、問いと方法の対応に加え、次に確認する作業まで整理する。
本講座の作業目標。原稿の自己診断と授業内での執筆を引き継ぐ。研究計画書特講
学ぶ順序:Ⅰ 計画の目的と問い → Ⅱ 文献・概念・研究課題 → Ⅲ 資料・方法・倫理・実現可能性 → Ⅳ 意義と説明の点検 → 自分で説明する。
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Ⅰ 計画の目的と問い
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研究計画書の論理と、志望理由の関係
現在地|Ⅰ 計画の目的と問い
研究計画の基本的なつながり
何が問題となるか
→これまで何が論じられてきたか
→自分はどの問いを検討するか
→どの資料・データと分析を用いるか
→どの範囲の知見を目指すか。
研究計画書は、何を、なぜ、どのように研究するかを示し、志望理由書は、その研究や学習を、なぜその大学院で進めるかを説明する。
解説メモ|目的・方法・研究環境を、同じ問いに結びつける
生徒の経験を明らかにする目的を掲げながら、行政の方針を示す資料だけを分析する計画では、問いと根拠の対応を見直す必要がある。大学院との適合についても、必要な専門性、資料、方法、指導環境が研究にどう関わるかを示す。各項目が一つの問いを検討するために結びついているかを確かめることが、計画書を整える出発点となる。
本講座による研究計画の構成モデル。
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大学が指定する形式を確認する
現在地|Ⅰ 計画の目的と問い
2027年度入学向け公表資料の比較例
大学院・対象区分
研究に関する書類の例
東京大学大学院教育学研究科・修士課程
過去の研究と入学後の研究計画を、各1,200字以内・各1ページ。参考文献は字数に含めない
早稲田大学大学院教育学研究科・一般/外国学生入試、数学教育専攻以外
志望理由・研究計画書。指定枠を保ち、A4片面1ページ。字数指定なし
北海道大学大学院教育学院・一般/外国人留学生入試
研究課題概要。40字×30行、A4で5枚以内。表紙を除き、図表等を含む
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大学が指定する形式を確認する(続き)
現在地|Ⅰ 計画の目的と問い
必要な書類は入試区分によって異なる。北海道大学の事前相談用PSS等と、出願時の研究課題概要についても、目的と指定を分けて確認する。東京大学
解説メモ|紙面に応じて説明量を調整し、研究の論理を保つ
短い様式では、見出しや背景説明を絞りながら、対象、問いの理由、方法の対応を示す必要がある。本講の約1,200字版は、その骨格をつくる練習用である。提出時には、出願年度・入試区分の募集要項と指定様式を優先し、必要な情報とその分量を組み直す。
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研究関心を絞る六つの視点
現在地|Ⅰ 計画の目的と問い
本講座作成・具体化の例
視点
決めること
対象
人、実践、制度、文書、思想のうち何を見るか
時期
いつの資料や過程を扱うか
場所・範囲
国、自治体、学校、文献群等、どこまでを対象とするか
現象・関係
どの変化、違い、意味、判断に注目するか
概念
何を手がかりに捉えるか
資料・方法
何を根拠に、どのように検討するか
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研究関心を絞る六つの視点(続き)
現在地|Ⅰ 計画の目的と問い
本講座作成・具体化の例
「外国につながる子どもの教育に関心がある」
→「中学校の日本語指導資料が、教科学習への参加をどう位置づけているかを検討する」。
解説メモ|範囲を定める理由を、問いから説明する
一校や一つの時期を選ぶ場合には、その範囲を見ることで、どの過程や関係を明確にできるかを説明する。問いに必要な資料が実際に得られるかを確かめ、その資料で検討できる範囲を見直すことで、研究の境界を整えられる。対象の広さを先に決めるより、問いと根拠が具体的に対応する範囲を定める。
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教育学の問いには、異なる種類がある
現在地|Ⅰ 計画の目的と問い
問いの種類
例
主な検討の方向
実証的
支援がどのように経験されるか
語り、観察、記録、数値等
歴史的
ある概念や制度はどう成立・変化したか
当時の史料、文献、制度的な文脈
理論的・解釈的
ある思想の概念は何を意味するか
著作、関連議論、解釈の比較
規範的
どのような教育を公正と考えるべきか
概念、原理、事例、反論の検討
解説メモ|明らかにすることに応じて、根拠を選ぶ
教育思想研究では、著作の概念や論証の関係を読むことが中心となり、歴史研究では、当時の史料の性格や制度的背景を確かめることが求められる。現実の教育を改善したいという関心からも、こうした問いを立てられる。何を明らかにする研究かを定め、その問いに合う資料と方法を選ぶことで、面接や質問紙の要否も判断できる。
本講座による研究設計上の区分。実際の研究では、複数の種類の問いが関わる場合もある。
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同じ教育課題から、異なる研究を構想する
現在地|Ⅰ 計画の目的と問い
本講座作成:「子どもの意見を尊重する教育」
分野・焦点
研究課題の例
教育思想
特定の思想において、子どもの自律と教師の指導はどう関連づけられるか
教育史
ある時期の生徒自治論では、参加の範囲がどう論じられたか
教育行政
子どもの意見を政策に反映する手続は、自治体間でどう異なるか
教育方法
話合いの授業で、少数意見がどのように扱われるか
教育社会学
発言や参加の機会は、どの関係や条件によって配分されるか
解説メモ|共通の関心を、専門分野の蓄積につなげる
子どもの声への関心は、概念、歴史、制度、授業、相互行為のいずれを検討するかによって、異なる研究となる。計画書では、社会的な重要性を示したうえで、どの分野の議論を用い、どの側面を明らかにするかを定める必要がある。その選択によって、読む先行研究と、収集・分析する資料の範囲も具体化される。
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Ⅱ 文献・概念・研究課題
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先行研究を読み始める:五本を入口にする
現在地|Ⅱ 文献・概念・研究課題
本講の初期読解用の組合せ
基本概念・理論を示す文献と、自分の対象に近い研究を起点にする。そこに、別の方法で同じ問題を扱う研究、比較対象となる研究、比較的新しいレビューまたは研究を組み合わせる。
五本は初期の読解を組織するための目安であり、読み進めるなかで関連文献を追加する。
資料の種類
研究計画での役割
学術研究
既存の説明、解釈、方法、到達点を知る
政策・行政資料
制度の方針や設計を把握する。研究対象にもなり得る
統計
定義と対象範囲を確認し、分布や推移を捉える
実践報告
活動の記述と、研究上の分析を区別して読む
解説メモ|各資料が、何を示す根拠になるかを確かめる
行政が連携の必要性を述べた資料は、政策の方向を示す根拠となる。連携が実際にどう形成され、何を変えたかを検討する際には、その実施過程を捉えた資料が必要になる。このように資料の役割を分けることで、制度の背景説明と、先行研究が明らかにしたことを区別し、目的に応じて根拠を用いられる。
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先行研究の整理:共通の問いで比較する
現在地|Ⅱ 文献・概念・研究課題
読む項目
記録する内容
問い
何を明らかにしようとしたか
対象・文脈
誰・何・いつ・どこを扱ったか
概念・方法
何を用いて、どのように分析したか
得られた知見
根拠から何を説明したか
適用範囲
どの範囲で成り立つ主張か
自分との関係
何を受け継ぎ、何を追加して検討するか
解説メモ|比較できる読書記録と、追跡できる引用を残す
著者・刊行年・題名・掲載誌または出版社・頁を記録し、原文の抜き書き、自分の要約、考察を分ける。直接引用は引用範囲と頁を明示し、言い換えた要約にも出典を付す。本文の出典と文献一覧を対応させ、表記は志望先の指定または分野の規則にそろえる。計画書では論点に沿って研究を関係づけるが、思想・学説史研究では著者ごとの論理を追う構成も用いる。
本講座による文献読解の作業表。
出典(確認資料):日本学術振興会(2025)『科学の健全な発展のために』第2版、引用・盗用の節:JSPS『科学の健全な発展のために』第2版(解説メモの引用・出典の説明を支える)
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研究上の課題:未検討と、未確認を区別する
現在地|Ⅱ 文献・概念・研究課題
区別する表現
「この研究では対象としていない」
「確認した文献群では十分に説明されていない」
「領域全体で研究が存在しない」。
それぞれ、一つの研究、確認した文献群、研究領域全体と、主張する範囲が異なる。
解説メモ|検索した範囲を踏まえて、残る課題を示す
一つの研究が扱わなかった問題も、関連語や隣接分野、引用文献、後続研究を調べると、既に検討されている場合がある。何をどこまで確認したかを明確にすることが、研究課題を設定する前提となる。既存の説明が成り立つ条件を確かめることや、異なる解釈・論点を関連づけることにも研究上の意義があり、研究の不在を主張する必要はない。
本講座作成・修正例
「生徒の経験に関する研究はない」
→「確認した研究では、教員の支援方針が中心に分析されている。生徒の経験を扱う関連研究も整理し、本研究で検討する関係を特定する」。
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概念・理論・資料の対応を明確にする
現在地|Ⅱ 文献・概念・研究課題
本講座作成:「参加」を研究する場合
水準
具体化すること
概念
出席、発言、役割、意思決定への関与のうち、何を含めるか
理論
参加の変化を、どの関係や過程から説明するか
資料
会議記録、行動、本人の語り、制度上の権限等
分析
誰が何に関わり、どの条件で変化したかを比較する
本講座による理論と資料の対応例。
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概念・理論・資料の対応を明確にする(続き)
現在地|Ⅱ 文献・概念・研究課題
概念を観察・分析できる形にする
例:「参加」を出席だけで測らず、①発言、②役割の担当、③議題設定、④決定への関与を別の指標として定める。何を参加とみなすかは研究目的に照らして説明し、会議記録・観察・本人の語りのどの資料で各指標を捉えるかを対応づける。指標の数を増やすだけで概念を十分に測れたことにはならない。
解説メモ|理論を用いて、資料の何を見るかを定める
正統的周辺参加を用いるなら、出席回数に加え、活動へのアクセス、役割、成員としての関係がどう変わるかを捉える必要がある。計画書では、概念と観察する内容を対応させ、どの資料から何を検討するかを示す。分析中に別の重要な側面が見えた場合には、資料に照らして枠組みを見直せるようにしておく。
本講座による理論と資料の対応例。
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目的・研究課題・仮説・調査質問を分ける
現在地|Ⅱ 文献・概念・研究課題
項目
役割
研究目的
研究全体で何を明らかにするかを示す
研究課題・RQ
目的を、検討可能な問いとして具体化する
仮説
検討する関係について、予想される説明を示す
調査質問
必要な経験や情報を得るため、参加者に尋ねる
本講座作成・例
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目的・研究課題・仮説・調査質問を分ける(続き)
現在地|Ⅱ 文献・概念・研究課題
本講座作成・例
主RQ:保護者への情報提供は、進路相談の利用にどう関わるか。
下位の問い:①情報はどの経路で届いたか。②何が理解しにくかったか。③どの支援が相談への接続を支えたか。
調査質問:「どの資料を、誰と読みましたか」「分からないときは、どこに相談しましたか」。
下位の問いは主RQへの回答を分担する。参加者への質問は、各問いを検討するための具体的な経験を得られる形にする。
解説メモ|具体的な経験を聞き取り、分析によってRQに答える
調査質問では、場面、経過、行為、判断を尋ね、それらを関連づけて研究課題に答える。抽象的なRQをそのまま参加者に尋ねることと、分析に必要な経験を聞くことは区別する必要がある。また、探索的研究や思想研究では、固定的な仮説を置かない設計もある。研究の種類に応じて、各項目が担う役割を明確にする。
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Ⅲ 資料・方法・倫理・実現可能性
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RQ・根拠・分析を一組にする
現在地|Ⅲ 資料・方法・倫理・実現可能性
研究課題と概念が定まったら、その問いに答えられる資料が何かを選ぶ。集めやすさに加え、資料から言えることと研究目的が対応しているかを確かめる。
問い
必要な根拠の例
分析の方向
支援をどう経験したか
本人の語り、生活・活動の記録
場面と意味づけの比較
特定の条件と学習にどのような関連があるか
定義の明確な変数・標本
分布、群間差、関連の分析
政策の役割分担は
どう変わったか
時期をそろえた政策・議事録等
規定、背景、変更点の比較
思想の概念は何を意味するか
著作と関連文献
用法、論証、解釈の検討
解説メモ|資料が示す内容に、問いの範囲を対応させる
政策文書は制度が目指す支援や役割分担を、面接は対象者の経験や理解を検討する資料となる。生徒が安心したかを政策文書だけで確定したり、一人の語りを全国の分布として扱ったりすると、資料が支える範囲を越える。問いを維持するために資料を補うか、得られる資料に合わせて問いを調整するかを、計画の段階で検討する。
参考:基礎教材の研究方法・適用範囲の整理。本表は本講座作成。留学生のための日本教育学入門ー基礎知識から最新動向へ
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質的研究:誰の、どの経験を比較するか
現在地|Ⅲ 資料・方法・倫理・実現可能性
本講座作成・計画例
高校の進路相談を利用した経験について、来日時期や相談の利用経路が異なる卒業生に、資料を得た場面、理解した内容、相談相手、判断の経過を聞き取る。
計画書に必要な説明
対象者の選び方と協力依頼の経路を示し、聞く内容、記録方法、分析の観点を具体化する。場面や経過をどう整理し、どの経験の違いを比較するかも説明する。
解説メモ|対象者の選定と、比較する経験を結びつける
面接人数は、どの違いを捉えるために誰を選ぶかという理由とあわせて示す。語りを読む際には、話された出来事と、その出来事を現在どう意味づけているかを区別できる。必要に応じて文書や活動記録を照合し、解釈の根拠を確かめる手続を組み込むことで、何を「深く聞く」研究なのかが明確になる。
参考:基礎教材の質的研究の説明。留学生のための日本教育学入門ー基礎知識から最新動向へ
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量的研究:変数と比較の条件を設計する
現在地|Ⅲ 資料・方法・倫理・実現可能性
本講座作成・計画例
大学生の学習支援の利用と、授業への所属感の関連を検討する。支援利用と所属感をどう捉えるかを定め、学年や生活条件等、比較に関わる事項と、標本を確保する方法を具体化する。
検討事項
問い
測定
使用する項目は、対象とする概念を捉えているか
標本
誰に回答を求め、誰についての結果として論じるか
比較
利用者と非利用者には、他にどのような違いがあるか
主張
関連を示すのか、因果効果を検討するのか
解説メモ|関連の分析と、因果効果を確かめる設計
支援の利用者と非利用者は、利用前の困難や意欲等が異なる可能性がある。そのため、一時点の質問紙で得た関連を因果効果として説明するには、比較条件や時間的な順序をさらに検討する必要がある。用いる統計手法とともに、事前の状態や比較群をどう把握するかを示し、実施できる設計に目的と主張の範囲を対応させる。
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測定と標本:どこまで説明できるか
現在地|Ⅲ 資料・方法・倫理・実現可能性
信頼性と妥当性を分ける
信頼性は測定・判定の一貫性、妥当性は測定値を意図した概念の指標として解釈できるかに関わる。例えば「所属感」を曖昧な一項目で測ると、回答が安定しても概念を捉え損なう場合がある。回答の一貫性だけで妥当性は証明できない。質問項目、対象者の理解、関連資料との整合を確かめる。
標本と主張の範囲
対象となる母集団・標本枠・実際の回答者を区別する。無作為抽出は母集団への推論を目指す問い、目的抽出は特定の経験・条件の比較に適する。一大学の協力者や少数の面接参加者から全国の割合を推定しない。
抽出の目的と手続を明記する。
研究計画の方法を説明する練習
「所属感」を一文で定義し、指標を二つ挙げる。各指標について質問紙・面接・観察から方法を選び、一貫性を確かめる方法と、概念を適切に捉える追加根拠を一つずつ記す。標本が一大学の場合に言える範囲も書く。
出典:Bhattacherjee, Social Science Research: Principles, Methods and Practices(Revised edition, 2019), 第7・8章。例示と練習は本講座作成。信頼性・妥当性/標本抽出 補足出典:同著者の第2版(2012)第7・8章(PDF第64–80頁)でも測定・標本の基本事項を確認できる。公開PDF 参考:基礎教材の調査研究・実験研究の区別。留学生のための日本教育学入門ー基礎知識から最新動向へ
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文献・史料を用いる研究:読解の手続を示す
現在地|Ⅲ 資料・方法・倫理・実現可能性
研究の方向
方法として説明すること
教育思想
対象著作、概念の用法、論証の構造、競合する解釈
教育史
史料の作成者・目的・時期、残存状況、他の史料との照合
政策研究
対象文書、制度上の位置、対象期間、比較する項目
規範的研究
用いる原理、想定する事例、対立する価値、反論への応答
解説メモ|読む箇所と、その読み方を問いから具体化する
デューイの著作を読む計画で、経験の連続性と教師の役割の関係に焦点を定めれば、対象箇所、関連著作、既存の解釈を選ぶ理由が明確になる。史料研究でも、内容を当時の実態に関する根拠として使う際には、誰が何のために記録したかを確かめる。文献や史料の性格と、問いに答えるための読解を対応させることが、方法の説明となる。
本講座による設計例。対象著作・史料と先行研究は、各自の研究に即して特定する。
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比較研究と混合研究:組み合わせる理由を示す
現在地|Ⅲ 資料・方法・倫理・実現可能性
比較研究では、共通の軸で対象を比較し、その共通点や差異から何を明らかにするかを示す。
混合研究では、量的・質的な資料を研究課題に応じて組み合わせ、それぞれの結果を関連づけて説明する。資料を二種類集めることと、分析結果を統合することには、異なる作業がある。
解説メモ|比較する単位と、結果を結びつける方法
日本の国家政策と中国の一校の実践を比較する場合、国の違いと分析する水準の違いを区別できる設計が必要になる。同じ水準にそろえるか、異なる水準をどう関連づけるかを説明する。混合研究でも、質問紙の傾向を誰への面接で検討し、結果が食い違う場合にどう解釈するかを構想する。方法を組み合わせる意義を、必要な時間や負担とあわせて判断する。
参考:基礎教材の混合研究法の説明。留学生のための日本教育学入門ー基礎知識から最新動向へ
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収集した資料から、どのように問いに答えるか
現在地|Ⅲ 資料・方法・倫理・実現可能性
本講座作成・文書分析の手続例
選定した文書から関連箇所を抽出し、概念や役割分担を整理して、文書間の共通点と相違点を比較する。例外や矛盾する記述も確かめ、作成された背景を踏まえて解釈する。
本講座作成・面接分析の手続例
逐語録から場面、行為、意味づけを整理し、事例ごとの経過を捉えたうえで、事例間の共通点と違いを比較する。解釈を組み立てる際には、別の説明が可能な箇所も検討する。
解説メモ|ソフト名とともに、比較と解釈の手続を説明する
分析ソフトが同じでも、問いや比較単位によって、取り出す情報とその意味は異なる。計画書には、資料の何を、どの観点で、何と比較するかを示す必要がある。予想に合わない箇所も検討する手続を設けることで、既に決めた結論に合う例だけを集めることを避け、根拠に即して説明を組み立てられる。
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実現可能性:資料の確保と代替案を計画に含める
現在地|Ⅲ 資料・方法・倫理・実現可能性
条件
確認すること
時間
読解、許可、収集、分析、執筆を期間内に行えるか
資料・対象
資料を利用でき、対象者に協力を依頼できるか
言語
読解、調査、翻訳に必要な精度を確保できるか
方法
必要な技能を学び、支援を得られるか
代替案
資料や協力者が得られない場合、何を変更するか
解説メモ|協力の見通しを、確認できた状態で示す
教師30人への面接を計画するなら、依頼経路、所要時間、協力の見通しを説明する。確約を得ていない場合は、その状態を明示し、対象範囲を段階的に調整する計画を立てられる。面接から公開文書に資料を変更すると、答えられる問いも変わることがあるため、代替案には、資料と研究課題の両方の見直しを含める。
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研究倫理:協力する人の立場から設計する
現在地|Ⅲ 資料・方法・倫理・実現可能性
研究協力を依頼する際には、目的、方法、負担、記録・公表の仕方、参加の任意性、撤回の方法等を、相手が理解できる形で説明する。
子どもを対象とする場合には、保護者等への説明・同意とともに、本人の理解と意思を尊重する。学校による調査の許可と、個々の参加者の意思は、それぞれ確認する必要がある。BERA
解説メモ|情報の組合せと、参加を断りにくい関係に注意する
氏名を伏せても、地域、学校、役職、出来事を組み合わせると人物が分かる場合がある。公表する情報の必要性と範囲を検討し、データの保存・共有の方法も定める。また、教師が自分の生徒を調査する際には、協力を断りにくい関係への対応が必要になる。所属機関の規程を確認し、必要な審査や許可を得る過程も計画に含める。
参考:BERA『教育研究倫理指針』第5版、基礎教材。BERAの指針は英国学会によるものであり、日本の法令や所属機関の規程とは区別する。留学生のための日本教育学入門ー基礎知識から最新動向へ
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研究スケジュール:作業の前後関係と、見直す時期
現在地|Ⅲ 資料・方法・倫理・実現可能性
本講座作成・修士2年間の計画例
1年目前半|先行研究、対象資料の確認、概念・RQの精緻化
↓ 1年目後半|方法の習得、必要な審査・許可、予備的な検討
↓ 2年目前半|資料・データの収集と、並行した整理・分析
↓ 2年目後半|分析の統合、考察、執筆、指導を受けた修正
解説メモ|収集の途中で分析し、必要な情報を確かめる
初期の資料を分析すると、追加で必要な情報や、問いの曖昧な部分が見えてくることがある。収集と分析を並行させる時間を確保すれば、その段階で計画を調整できる。思想・歴史研究でも、資料の所在確認、読解、解釈の比較、執筆を行き来し、途中の検討を次の作業に反映する見通しを示す。
本表は標準修業年限2年を想定した作業例。大学院や研究内容に応じて変更する。
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Ⅳ 意義と説明の点検
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独自性と研究意義:既存の理解に何を付け加えるか
現在地|Ⅳ 意義と説明の点検
実施可能な方法を示したうえで、その研究によって何が分かる見込みなのかを説明する。研究の意義は、問いと資料の関係から具体的に示す。
独自性が生じる場所
問うこと
説明の条件
既存の説明は、どの文脈で成り立つか
解釈
どの概念や史料を用いると、理解が変わるか
関係
別々に論じられた内容を、どう関連づけるか
過程
結果が形成されるまでの過程を、どう明確にするか
資料
新たな根拠によって、何を補足・修正するか
解説メモ|新しい対象を、何を明らかにするために扱うか
初めて扱う学校や地域を選ぶ場合にも、その対象を通して、既存の説明のどの条件や関係を検討できるかを示す必要がある。対象の新しさを、得られる知見の意味に結びつけることが、学術的意義の説明となる。実践的意義についても、誰がどの判断を考える際に役立つ知見を目指すかを示すと、研究の範囲に即して貢献を述べられる。
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

学術的な日本語:対象と、検討する関係を明確にする
現在地|Ⅳ 意義と説明の点検
本講座作成・修正例
修正前
「多文化教育は非常に重要であり、外国人の子どもの問題を深く探討して、日本教育の発展に貢献する。」
修正後
「本研究は、中学校の日本語指導資料において、教科学習への参加に必要な支援がどのように位置づけられているかを検討する。」
表現
修正する焦点
深く分析する
資料の何を、どう比較するか
明らかにする
何が分かれば、目的に答えたことになるか
重要な意義がある
どの議論や判断に知見を提供するか
ますます注目される
どの資料に、どの変化が示されているか
解説メモ|表現の強さを、対象と根拠に合わせる
検討する対象や関係を具体化すると、研究で行う作業と目指す知見が分かる。「検討する」を「解明する」に替えるだけでは、その情報は増えない。事実、既存研究の知見、自分の解釈、今後の検討課題を区別し、それぞれの根拠に合う強さで書くことが、計画を正確に伝える。
【教育学 KIKI 内部资料 版权保护】

研究構想と、根拠の確認状況を整理する
現在地|Ⅳ 意義と説明の点検
本講座作成・資料研究の構想
項目
内容
関心
日本語指導と教科学習の接続
既存の理論
カミンズによる日常会話と教科学習を支える言語の区別
対象資料の候補
JSLカリキュラム、改訂版DLA、その解説
問い
教科学習への参加が、支援・評価とどう関連づけられているか
分析
目標、言語観、支援、評価、担当者の役割を比較する
未確認事項
国内の関連研究、比較対象の選定、独自性の位置づけ
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研究構想と、根拠の確認状況を整理する(続き)
現在地|Ⅳ 意義と説明の点検
本講座作成・資料研究の構想
JSLとDLAは目的・機能が異なるため、その違いを踏まえて比較する。新旧の順序だけによる発展の説明や、単純な優劣の判定には用いない。文部科学省
解説メモ|次に何を読めば、研究の位置が定まるか
公表資料の内容や概念の区別を確認した後には、それらの関係が既存研究でどこまで検討されているかを調べる作業がある。構想段階では、確認できたことと、追加の文献検討が必要なことを分けて示す。独自性を早期に断定せず、何を確かめれば問いの位置づけを明確にできるかを整理することが、計画を具体化する。
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AIの利用規則と、自分で説明できる研究計画
現在地|Ⅳ 意義と説明の点検
早稲田大学大学院教育学研究科の2027年度募集要項は、書類を本人が作成することを求め、生成AI等で作成した書類を自分の成果として提出した場合、不正と判断されたり、評価に不利益を及ぼしたりする可能性を示している。早稲田大学
AI利用の可否や条件は、大学・入試区分ごとに確認する。利用の記載を行うことと、その利用方法が規則上認められることは区別する必要がある。
本講の口頭確認
問いを立てた理由、用いた文献と知見、方法を選んだ理由を説明する。研究で分かる範囲と、実施できない場合に変更することも確認する。
解説メモ|説明できない箇所から、原稿の問題を見つける
自分で説明しにくい一文があれば、用語、根拠、論理のどこが曖昧かを確かめ、その主張が計画に必要かを検討する。表現を易しくすることと、主張の根拠を理解することを組み合わせると、内容の修正にもつながる。指導教員や研究環境との適合も、現在の公式情報と自分の研究内容を対応させて説明する必要がある。
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演習・研究骨格の作成
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複数選択問題1:問いに合う方法を選ぶ
現在地|演習・研究骨格の作成
本講座作成・設計の比較
学生が「教育思想における子どもの自由と教師の指導の関係」に関心を持ち、特定の思想家の著作を中心に研究したいと考えている。
適切な計画の方向を二つ選びなさい。
A.対象著作、概念の用法、既存の解釈、論証の関係を具体化する。
B.教育研究には面接が不可欠であるため、著作研究にも必ず教師への面接を加える。
C.現代の教師による評価を、その思想家の概念の意味そのものとして扱う。
D.現代的な関心と、著作の成立した文脈・論理を区別し、その関係を検討する。
E.現代に役立つ結論が先に決まっていれば、異なる解釈の検討は必要ない。
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複数選択問題2:三つの読解メモから課題をつくる
現在地|演習・研究骨格の作成
本講座作成・架空の読解メモ。実在文献の要約ではない。
甲:自治体資料を用い、日本語指導の配置方針を分析した。
乙:教員への面接から、担当者間で情報を共有する際の困難を示した。
丙:生徒の語りから、授業で支援を求めにくい経験を検討した。
先行研究を整理する対応として適切なものをすべて選びなさい。
A.甲が生徒を調べていないため、この領域には生徒の経験を扱う研究がないと書く。
B.配置方針、担当者の協働、生徒の経験が、どのように関連づけられているかを検討する。
C.三つの研究の結論を足せば、日本語指導全体の因果関係を確定できる。
D.各研究の対象、資料、知見の範囲を保ちながら、共通の問いを整理する。
E.関連研究を追加して確認し、自分が検討する関係の位置づけを具体化する。
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複数選択問題3:資料が支える主張の範囲
現在地|演習・研究骨格の作成
本講座作成・量的研究の点検
大学生への一時点の質問紙調査で、学習支援の利用者ほど所属感が高いという関連が見られた。標本は、調査に協力した一大学の学生である。
不適切な説明を二つ選びなさい。
A.支援の利用が所属感を高めたと、因果効果を確定する。
B.利用前の状態や、利用者・非利用者の他の違いを検討する必要がある。
C.一大学の結果から、日本の大学生全体に同じ効果があると結論づける。
D.回答者の範囲と測定方法を示し、その範囲で関連を報告する。
E.因果関係を検討するには、時間的な順序や比較の設計を再検討する。
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複数選択問題4: 調査対象への依頼経路が確保できない場合
現在地|演習・研究骨格の作成
本講座作成・仮想事例
学生が、中学生の支援経験を調べる計画を立てた。しかし、学校への依頼経路は確保できておらず、現在入手できるのは、公開された教育計画と議事録である。
適切な対応を二つ選びなさい。
A.公開文書を読めば、生徒が実際にどう感じたかも同じ精度で分かるとする。
B.学校長が了解すれば、生徒本人に説明しない面接も当然に実施できるとする。
C.公開文書で検討できる政策上の問いに変更する案と、対象者への依頼経路を再検討する案を比較する。
D.実現可能性を示すため、未確定の協力人数を確約済みとして記載する。
E.対象、負担、説明・同意、必要な審査を含め、実施までの手順を具体化する。
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複数選択問題5:目的・分析・意義を対応させる
現在地|演習・研究骨格の作成
本講座作成・文章の改善
「A市とB市の政策文書を比較し、生徒の学力を向上させる最適な日本語指導法を明らかにする」という計画がある。利用できる資料は、自治体の方針、事業計画、公開された議事録である。
適切な修正をすべて選びなさい。
A.政策文書に示された目標、役割分担、支援条件を比較する目的に調整する。
B.二自治体を選ぶ理由と、共通の比較項目を明示する。
C.「最適な」を「効果的な」に変更すれば、資料と目的の対応は改善される。
D.この資料だけでは実際の学力への効果を確認できないことを、研究範囲として示す。
E.政策文書に「学力向上」と書かれていれば、実際の効果を測定した資料として扱う。
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小論文A:教育学共通基礎・事実と教育的価値
現在地|演習・研究骨格の作成
本講座作成/60分/1,000〜1,200字
教育実践や政策の改善を考える際、経験や調査から得られた事実と、教育において大切にする価値を、どのように関連づけるべきか。現代の教育課題を一つ取り上げて論じなさい。
取り上げられる課題
学力、子どもの参加、ICT・AI、インクルーシブ教育、多文化教育、学校の統合、進路支援等。
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小論文A:効果の把握と、教育の目的を関連づける
現在地|演習・研究骨格の作成
本講座の評価基準
事実と価値の区別25/教育課題の具体化25/判断の論理25/構成15/日本語10。
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実際の入試問題B:研究計画と実現可能性
現在地|演習・研究骨格の作成
東北大学大学院教育学研究科・2022年度第2期試験
博士課程前期課程/外国人留学生特別選抜/小論文
原巻の指示
1 試験時間は120分。
2 問題紙は 1 枚(表紙を除く)、解答紙は 2 枚。
3 設問Ⅰ、設問Ⅱの解答はそれぞれ別の用紙に記入すること。
設問Ⅰ
本研究科博士課程前期入学後の、あなた自身の研究計画を 800字程度の日本語で専門分野以外の人にも わかるように記しなさい。
設問Ⅱ
設問Ⅰで記した研究計画について、その実現のために克服すべき課題とその課題の克服方法を合わせて500字程度の日本語で記しなさい。
本講では設問Ⅰ・Ⅱを一組として取り組む。設問Ⅱだけを独立させない。
出典:保管原巻PDF1–2頁に基づく転記。保管原巻PDF
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30分ワーク:約1,200字の研究骨格を作る
現在地|演習・研究骨格の作成
作業時間
3分:関心と教育学上の問い。
5分:対象・時期・範囲。
7分:確認した先行研究と、追加して調べること。
5分:目的とRQ。
5分:資料と分析方法。
5分:実現可能性と、主張の範囲の点検。
本講の字数配分例
項目
目安
背景・問題意識
200字
先行研究と検討課題
300字
目的・RQ
150字
資料・方法・実施条件
400字
意義と研究範囲
150字
解説メモ|確認できた内容を書き、残る作業を別に示す
読んだ文献から分かることを記述し、関連研究や資料へのアクセスが未確認の部分は、今後の作業として明示する。読んでいない文献や、調べていない研究の不足を事実として埋めると、問いの根拠が不確かになる。今日の成果は、現在の見通しと、何を確かめれば研究を進められるかが分かる骨格をつくることである。
題目・参考文献は、この練習の字数目安と分けて扱う。
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研究骨格の例①:背景・先行研究・目的
現在地|演習・研究骨格の作成
本講座作成・教材用試案。独自性の位置づけは未確定であり、提出用完成稿ではない。
仮題
日本語指導資料における教科学習への参加の位置づけ
―JSLカリキュラムと改訂版DLAの比較から―
日本語指導を必要とする子どもの教育では、日常会話を学ぶこととともに、教科の内容を理解し、考えを表すための支援が課題となる。文部科学省のJSLカリキュラムは、日本語学習と教科学習を結びつける構想を示しており、改訂版DLAは、一人でできることと支援を得てできることを把握し、その後の指導に生かすことを目指している。文部科学省
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研究骨格の例①:背景・先行研究・目的(続き)
現在地|演習・研究骨格の作成
本講座作成・教材用試案。独自性の位置づけは未確定であり、提出用完成稿ではない。
カミンズによるBICS・CALPの区別は、会話の流暢さを、教科学習に必要な言語と分けて捉える手がかりとなる。DOI この観点から、指導資料のなかで、教科の学習目標、言語の働き、支援、評価がどう関連づけられているかを検討したい。今後、日本国内のJSL指導と評価に関する研究を追加して読み、資料間の関係について既に明らかなことを整理したうえで、本研究が扱う問いを特定する。
本研究は、JSLカリキュラムと改訂版DLAにおける教科学習への参加の捉え方を比較し、授業と評価をつなぐ際に、支援がどう位置づけられるかを明らかにすることを目的とする。各資料が想定する学習と、支援・評価の対象、担当者の役割の関係を、主な問いとして検討する。
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研究骨格の例②:方法・範囲・残る作業
現在地|演習・研究骨格の作成
前頁に続く、本講座作成の教材用試案。
対象資料は、文部科学省が公表したJSLカリキュラムの関連部分、令和7年度改訂版DLA、その目的や実施方法を説明する文書とする。対象学年、作成目的、制度上の位置を資料ごとに確認し、比較の範囲を定める。JSLは指導、DLAは評価を主な機能とするため、その違いを踏まえ、年代だけを根拠とした発展の説明や優劣の判定を避ける。
分析では、教科学習、言語、支援、評価、担当者の役割に関する記述を抽出し、各資料のなかでそれらがどう結びついているかを整理する。そのうえで、共通点と相違点を、資料の目的や対象の違いに照らして検討する。カミンズの区別を手がかりとしながら、その枠組みでは捉えにくい記述や、当初の解釈と合わない箇所も確認する。
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研究骨格の例②:方法・範囲・残る作業(続き)
現在地|演習・研究骨格の作成
前頁に続く、本講座作成の教材用試案。
公開資料の収集と読解、比較を中心に研究を進め、初年度には先行研究と対象範囲を整理し、試行的な分析を通して比較項目を修正する。次年度には分析と考察を統合し、指導を受けながら論文をまとめる。
直接の検討対象は、資料に示された支援と評価の構成である。実際の授業での使用過程や学習成果については別の資料が必要となるが、資料間の関係を具体化することで、授業と評価の接続を考えるための論点を示すことを目指す。
次に必要な作業: 関連研究の確認、対象箇所の選定、引用箇所のページ記録、研究上の位置づけの確定。
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相互確認:読者が同じ研究を思い描けるか
現在地|演習・研究骨格の作成
ペアで確認する五つの問い
何を明らかにする研究か。
なぜその問いを検討する必要があるか。
どの資料・データを、どう分析するか。
この計画から言えることと、言えないことは何か。
次に何を確認・修正するか。
3分の口頭説明
研究課題と背景40秒。先行研究と位置づけ50秒。資料・方法60秒。意義・実施条件30秒。
授業後の提出
本日の骨格を修正し、志望校の指定様式に合わせて再構成する。参考文献の実在と引用箇所を確認し、未確認事項と次に行う作業は別にまとめる。
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相互確認:読者が同じ研究を思い描けるか(続き)
現在地|演習・研究骨格の作成
口頭試問の練習|説明の後に、追質問へ答える
相手は「なぜこの方法か」「先行研究と何が違うか」「資料を得られなければどうするか」から一問を選ぶ。回答者は、結論→根拠→研究計画への意味の順に60秒で答える。未確認の点は明示し、確かめる資料と、結果に応じて修正する箇所を述べる。指摘の前提が自分の計画と異なる場合は、その違いを根拠とともに説明する。大学・研究室を選ぶ理由も、専門性、資料、指導環境との対応から準備する。
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